東京は魔物のような魅力を持っています。全国から東京に憧れて多くの若者が集まります。毎年、他の道府県から10〜20代の若者が24万人くらい転入してくるそうです。
全国の大学生290万人のうち、75万人が東京都の大学に通っています。人口比で10%の東京に、大学生は25%もいる計算です。さらに、大企業や官公庁も東京に集中していますので、就職のために若者が集まります。
東京都庁や区役所、消防署の職員と話をしていて、驚くことがあります。
多くの人が東京生まれではない。居住地も都外や区外の方が多いようです。地方では、県庁や市役所の職員の多くは地元出身者です。地元出身や居住でないと、地域特性の把握や、土地勘・地元愛などにも差が出てくるのではないかと感じます。
公立以外の国立や私立中学の生徒数の比率は、全国平均がわずか8%に対して、東京は25%もあって最大です。地元の小中学校は地域コミュニティーの中心ですが、ただでさえ子どもが少なく、地元の公立学校に通わないようでは地域との関係が疎遠な人が多くなります。災害対応で重要となる地域力の弱さが気がかりです。
食料やエネルギーの自給力も、地方と比べて劣っています。農林水産省によると、15年度の食料自給率は、カロリーベースで全国平均39%に対して、東京はわずか1%。新潟や福島、青森の原子力発電所に頼ってきた電気など、食料やエネルギーの他地域への依存度が高いため、他地域での災害の影響を受けやすくなります。
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