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» 2019年04月02日 05時00分 公開

リスクだらけの首都・東京 在京企業が本社移転を考えるべき深刻な理由「首都機能マヒ」が日本を止める(3/6 ページ)

[福和伸夫,ITmedia]

危険度マップの落とし穴

 危険度マップと関東大震災の震度分布とを比べてみましょう。さらにイメージが違ってきます。 

 危険度マップでは、前述の九段下や東京駅周辺、そして湾岸地帯が軒並み安全なランク「1」を示すブルーです。スカイツリーの立つ土地もブルーです。

 なぜでしょうか。それは高層ビルが林立しているエリアだから。私からすれば高層ビルがあるところは危険だとしたいのですが、このマップではそれを避けています。むしろビルのあるエリアは安全だと判断しています。

 確かに、超高層ビルは燃えないから、火災危険度は低い。周囲の道路も広いので、消防や救急車両は入りやすい。だから総合点は上がります。でも、長周期地震動で2、3メートルも振り回されるような高層ビル内の揺れについては、何も触れていません。エレベーターが止まったり、ライフラインがこけたりしたら終わりだというような事情も反映されていません。

 東京らしいと言ってしまえばそうなのですが、高層ビルの安全神話に則ったマップです。一般の都民に危ない戸建て住宅を直してもらおうという目的ならこれでいいでしょう。しかし、高層ビルに入居するような企業向けではありません。そんな「落とし穴」が見えるマップなのです。

 高い階に住むときはそれなりの「ご作法」を覚えるべきです。エレベーターが動かなくなったらどうするのか、停電したらどうするのか。それを考えた備蓄や家具の固定を考えましょう。携帯トイレ、コンロ、乾電池は必要な分を備えておく。非常用の発電機は、室内で使ったら一酸化炭素中毒で死んでしまうので、十分な注意が必要です。

 タワーマンションに住んでいる人は、下の階の人と仲良くしておきましょう。地震が来たら上に住んではいられません。下の階の人に助けてもらうために、マンション内の共助システムが必要です。

 危険度マップには、こんなリスクは入っていません。

phot 危険度マップには5段階で危険度が示されているが……(地震に関する地域危険度測定調査(第8回)より)
phot 関東大震災の震度分布。皇居周辺の震度が大きかったのが分かる

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