滝柄: どんなふうにアプローチすれば良いのでしょう?
竹中: 会議も資料も同じようなアプローチで簡素化できます。まず、社内にどんな会議や資料が存在するのか棚卸しが必要です。これは、業務分析と同じです。実態を定量的に抑えないとふわっとした議論になります。
その上で、どうアプローチしていくかですが、ちょっと図示してみますね。
竹中: こんな風に考えます。縦軸に会議あたりの工数、横軸に会議数をとると、この四角形の面積が組織の会議にかける総工数になります。これは資料に当てはめても同様です。まずは、1番目の選択と集中ですが……。
日野下: 共有だけの会議をやめる、とかですね。
竹中: そうです。物理的に減らすんです。廃止だけじゃなく、頻度でもいいですね。また、資料でいえば、念のためといった資料の作成をやめる、などです。これは、四角形を左向きに小さくします。
竹中が大きく矢印を書く。
竹中: 次に2番目のスリム化ですが、ルール化とも言い換えられます。例えば、時間制限を設ける、出席者を厳選するなどです。資料に当てはめると例えば「A3・1枚ルール」が有名ですね。これは、四角形を下の方に小さくします。1回あたりの会議・資料の工数を減らすんですね。
滝柄: そして最後が3番目のスキル向上ですね。
竹中: そうです。これは、さらなる効率化とともに会議の質を高め、会議ごとのゴールを達成することにつながります。
滝柄: だいぶ、頭が整理できました。このアプローチにのっとって、アクションプランを考えます。来週には、社長とすり合わせないといけませんので。今後とも、ご協力をお願いします。
竹中: 社長の指令は「即決・3日・1週間」ですもんね。
(続く)
柳剛洋(やなぎ たけひろ)
アビームコンサルティング株式会社 戦略ビジネスユニット ディレクター
シンクタンクを経て、1999年アビームコンサルティングに入社。戦略・経営計画策定、業務改革、経営管理分野のコンサルティングに従事。
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