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» 2019年04月12日 07時00分 公開

河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」:「もう、諦めるしかない」 中高年化する就職氷河期世代を追い込む“負の連鎖” (3/5)

[河合薫,ITmedia]

氷河期世代は“エリート”でも苦しい

 氷河期世代の問題は、非正規雇用の人にばかりスポットが当たりがちですが、厳しい競争を勝ち抜き、正社員になった“氷河期世代の勝ち組”でさえ、他の世代に比べると「社会の恩恵」を受けていないことはあまり知られていません。

 例えば「アベノミクス」が盛り上がった15年11月に公開された厚労省の「賃金構造基本統計調査」によれば、全体の賃金は前年比で1.3%上昇していたにもかかわらず(男性1.1%増、女性2.3%増)、氷河期世代に当たる40〜45歳男性の賃金だけ、マイナス0.6%。「大学・大学院卒」の40〜45歳男性に限ると、マイナス1.1%、「大企業」の40〜45歳男性だけに絞ると、マイナス2.3%と、普通であればエリートとされる人たちが、とりわけ冷たい風にさらされていたのです。

photo 氷河期世代ではエリートとされる人たちも冷たい風にさらされている

 「今はまだ、母の面倒を見なきゃならないんで、なんとかなってますけど。自分1人になったら……ヤバいなぁって思うんです。生きてる意味あるのかなぁ?って」

 フィールドインタビューに協力してくれた氷河期世代の40代の男性が、こうこぼしていたことがあります。

 彼は氷河期に正社員の席をゲットしたものの、リーマンショックで会社が業務を縮小したためリストラにあい、その後は製造業関連会社の非正規社員になりました。

 正社員で雇用してくれる会社を探し続けましたが、40歳を過ぎて正社員で雇ってくれる会社はありませんでした。

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