「連敗が続くと、まるで底なし沼にいるようで。あがけばあがくほど、沈んでいく。そういう自分しかイメージできなくなってくるんです。もう、諦めるしかないって。40過ぎて母親と2人暮らしで非正規だと、世間はまともな職につけない、どうしようもない『パラサイト中年』だっていう目で見ます。親戚からは『しっかりしなさいよ』とか、『お母さんも心配してるぞ』とか言われるし、だんだんと人と関わりたくなくなるんですよ。
人と会えば会うだけ、他人がねたましくなる一方で、自分が情けなくて。なんか社会から置いてけぼりになったような気分です」
彼は苦笑いしながら明るく話してくれましたが、経験した人しか分からない重い言葉の数々に、私は、どう返していいのか分かりませんでした。
彼の話からも分かるように、「氷河期世代」は就職時の不況に加え、小泉政権の構造改革による非正規雇用の拡大、さらには日本の会社組織がスリム化で管理職を減らしたことなど、さまざまな「社会的要因」が複雑に絡み合い、負のスパイラルに入り込んだ世代です。
単なる雇用形態の違いが「階級格差」になっていることも、もっともっと問題にする必要があります。
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