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インタビュー
» 2019年04月17日 08時00分 公開

水曜インタビュー劇場(ふわふわ公演):えっ、炊飯器じゃないの? 三菱電機の高級トースターが面白い (4/7)

[土肥義則,ITmedia]

幹部からは「マズい」の声

土肥: プロトタイプを完成させることができたわけですが、パンの味はいかがでしたか?

八百幸: 個人的には「おいしい」と思ったのですが、当社の幹部などに感想を聞いたところ、いまひとつの声が多かったんですよ。普段、カリっとしたトーストを食べているので、「なんだこれは?」といった意見が多く、中には「マズい」といった人もいました(涙)。

 そうした声を聞いていると、こちらも「大丈夫かな」と心配になって、パン屋さんの声を聞くことに。実際に持っていて、食べてもらったところ、「自分たちがつくっている“できたてのパン”の味に近い」という声をいただきました。このときに、できたてのパン……いや、それを上回るような味を出せるトースターを開発しようとなりました。ただ、開発を進めていくうえで、パンの中に含まれている水分をどうすればいいのかという問題が出てきました。

土肥: パンの中にある水分って、そんなに多いのですか?

八百幸: はい。従来のトースターは隙間がたくさんあるので、そこから水蒸気が出ているんですよね。だからあまり気付かないと思うのですが、パンを焼くとたくさんの水分が出てくるんです。この水分を閉じ込めるにはどうすればいいのか。プロトタイプでもかなり出ないようにしていたのですが、まだまだ不十分でした。ということで、ここで炊飯器の技術に着目しました。

 炊飯器の内蓋に二重構造のパッキンが備わっているのですが、それと同じ構造をトースターにも装着しました。あと、蒸気が一定の勢いになれば弁が開き、そこから出るような仕組みを導入したんですよね。これも炊飯器で培った技術でして、試作品は昨年に完成しました。

土肥: 時間がかかりましたね。あれ? 昨年完成したのに、なぜ発売は今年の4月なのでしょうか?

八百幸: 当初、昨年の8月に発売する予定だったのですが、完成形としては不十分だったので、11月に延期しました。ようやく発売できると思ったのですが、それでも不十分でして、今年の2月に発売することに。それでも不十分でして、今年4月にようやく発売できるようになりました。

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