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ひろゆき流“オワコン日本”の幸福論―― 他人とズレていたほうが幸せになれる!!西村博之が語る「令和ニッポンの処方箋」【後編】(3/5 ページ)

» 2019年04月26日 06時00分 公開

他人とズレていたほうが競争率は低い

 僕が個人的に好きなものは、だいたい世間に理解されないまま廃れていくんです。映画でもマンガでも、僕が「これは面白い!」と思った作品は売れないんですよね。

 『ドラゴンボール』や『ワンピース』とかは、それなりに面白いんですが、「すげえ面白い」というよりも「まぁ売れるよね」と思います。だから、僕がまったく興味がないもののほうが当たる確率は高くて、基本的に僕が気に入るとマズイ経験が多いんです。

 僕は多くの人が考える平均的な考えができないので、一般大衆に向けて発信するときは、自分の思考をなるべく基準にしないようにしています。第三者がどう言っているのかをつなぎ合わせて、「統計的にある程度こんな感じだろうな」と考えるようにしています。キャラが萌え系でかわいいとかは、僕にとってはむしろマイナス要素なんですけど、ただ「そういうのがあるほうが売れるだろうな」などと要素として見ています。

 でも、ビジネスに関しては、逆に僕の考え方のほうが正解の気がしています。例えば、みんなが「これうまくいくよね」と思っているものは、すでに誰かが出していたり、出そうとする会社があったりするので、競争状態になりがちです。逆に、誰も興味がないニッチなものは、競争相手がいないまま伸びる可能性があります。

 単月利益さえ出るようになれば、継続していけば伸びていくので、ビジネスは人とズレていたほうが安全だと思っています。ニコニコ動画や2ちゃんねるも、そんなに多くの人が興味を持っているわけではなかったけれど、ニッチ的に「これ、面白いね」という人が出て少しずつ伸びるというビジネスモデルです。

 これはビジネスだけにかぎりません。ストライクゾーンは広いほうが、他人とズレていたほうが、人生は幸せなんです。趣味や嗜好は他人と違うほうが幸せになれます。みんなと同じ趣味を持つと、それだけ競争率が高くなるので、幸せになれる確率が減ってしまいます。

phot キャラが萌え系でかわいいなどの要素は、「そういうほうが売れるだろう」と客観的に見ている(写真提供:ゲッティイメージズ)

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