インタビュー
» 2019年05月01日 10時00分 公開

水曜インタビュー劇場(令和初日公演):紙の地図はどう変わったのか? 銀行のロゴが消えた理由 (4/6)

[土肥義則,ITmedia]

どのようにして「分かりやすく」したのか

土肥: 文字サイズを大きくしたのは、地図だけではありません。新聞もそうですよね。文字サイズを大きくして、1行当たりの文字数を減らしていきました。

竹内: 先ほども申し上げましたが、利用者からは「拡大してほしい」「文字を大きくしてほしい」という声が多かった。ただ、ページ数をどんどん増やすわけにはいきません。では、どうしたのか。「分かりやすくしてほしい」という声に対応すれば、ページ数を増やさずに済むのではないかと考えました。

 例えば、道路標識の看板をそのまま地図に掲載すると、見えにくくなる。「東京駅」の場合、英語で「Tokyo Sta.」と書いていますし、山手通りの場合、「Yamate-dori」と書いている。同じように表記すると、ものすごく読みづらくなるので、そういうものはとっているんですよね。あと、道路標識の場合、青地に白色で書かれていますが、地図上で同じようにすると見えにくくなる。ただ、全く違う色にすると、利用者が混乱するかもしれないので、交差点名は青色で記しています。

道路標識のデザインをそのまま地図に掲載すると分かりにくいので、工夫を凝らしている

土肥: 地図をよーく見ると、コンビニとかファストフードなどは、各社のロゴになっていますね。

竹内: これも分かりやすくするために、デフォルメをしているんです。例えば、ローソンの場合、「LAWSON STATION」という文字が入っているのですが、地図のロゴには入っていません。地図上に表示されている線や記号などを「凡例」と呼ぶのですが、この数は平成に入ってものすごく増えました。

土肥: (地図を見比べて)うわっ、確かに! 1988年に出版された地図を見ると、高速道路や鉄道などのほかに、目印になるものは数えるほどしかないですよね。一方、最新のモノはデパートやスーパーのほかに、コンビニ、家電量販店、ファストファッション、外食チェーンなどのロゴがたくさん掲載されている。

1988年に出版された『グランプリ道路地図帳』を見ると、凡例は少ない
最新版の地図『街の達人』を見ると、凡例がたくさん掲載されている

竹内: 情報を増やさなければいけない、というニーズにどのように応えればいいのか。文字を増やせばいいと思われるかもしれませんが、そうすると分かりにくくなる。例えば、コンビニの「セブン-イレブン」をそのまま掲載すると、文字数が多いので、地図だとどうしても分かりにくくなるんですよね。というわけで、ロゴを掲載することにしました。

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