ボルボV60クロスカントリーとプロジェクトE.V.A.池田直渡「週刊モータージャーナル」(2/5 ページ)

» 2019年05月06日 07時15分 公開
[池田直渡ITmedia]

 ただし、筆者と同じく懐が年中涼しい人であれば、まあちょっとボルボには手が届かないので、国産車のどれかをお勧めするだろう。80年代のように欧州車と比べて安かろう悪かろうでは全然なく、ぐっとリーズナブルな価格でボルボと戦えるクルマは今国産車にも増えている。

 ただし、国産車の現状の実力では、上に挙げたデザインとシートの出来に関しては、ボルボを超えるのはちょっと難しいだろう。発売待ちのMazda3はそこに切り込める初めての国産車になりそうに思える(3月11日のMazda3記事参照)。その他に、国産車を回避する理由があるとすれば、ステータスへのこだわりが強い人は外車でないとダメという場合もあるだろう。

 話を本筋に戻すと、原則的に今ボルボは買いなのだ。とうっかりバイヤーズガイド的なことを書いてしまうと細かい事を説明しなければならなくなって若干原稿がモタモタしてしまうのだけれど、念のために書いておく。

 60シリーズは、国内で乗るにはサイズ的にもベストで、すでに述べたように、V60は標準車もクロスカントリーも良いし、XC60も良い。60シリーズは特にコンパクト性を重視しない人には一番勧めやすい。

 一方、コンパクトで価格的にも狙いやすい40シリーズは、ちょっと但し書きが必要だ。XC40はかなり良いクルマだと思うが、前席2名乗車で使うケースに限る。リヤシートは座るために適さない。あれは荷室を使いやすくするための折りたたみ性に重点を置いたシートで、補助席だと割り切れないなら価格差を飲み込んでもXC60を選んだ方がいい。

 V40は永らくお薦めできる一台だったが、まもなく新世代に代わるし、XC40でデビューした新世代シャーシーから類推する限り、そこでの性能や商品性のジャンプアップはかなり大幅なので、今わざわざ選ぶことはない。特に前述の新世代シートの導入があるだろう点は大きい。よほど値引きが大きいのでなければ、新型の登場を待ちたい。

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