連休明け、もう出社したくなくなっちゃったときこんなはずじゃ(2/3 ページ)

» 2019年05月08日 07時00分 公開
[増沢隆太INSIGHT NOW!]
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・このイキオイで辞めるとどうなるか

 ブルーなのは新入社員だけではありません。人手不足の日本。厚生労働省によれば2018年度平均の有効求人倍率は、1.62倍と9年連続上昇となり、過去2番目の高さだそうです。人手不足であれば、辞めたって次はいろいろありそうです。

 「アベノミクスで景気回復」という宣伝に疑問が持たれているのは、その証拠だった経済指標がインチキだっただけでなく、実態からしても庶民にはさっぱりその恩恵がトリクルしてこないからです。もはや「トリクルダウン」なんて誰一人言わなくなっちゃったのが証拠では?

 求人状況を20年近く見続けていますが、現実をいえば、「欲しい人」は誰でも良いのではなく、限られた人です。

 特に人手不足なのは製造業や建設業、小売り・サービス・接客販売、飲食、介護福祉といった現場仕事が圧倒的に多く見られます。この点で見れば、「仕事はいくらでもある」のは間違いありません。

 でも今の勤め先が嫌になっちゃったんですよね? 新たな職場、それも現場仕事って、場合によってはもっと厳しくないですか? まして年齢の行った方の場合、私のような50代にもなれば、もう現場で通用するのかはなはだ自信がありません。

・みんな大好き! 事務職

 女子学生からは、いまだに一般職OLを希望する就職希望がとても多く寄せられます。バリバリ長時間働いて、転勤もいとわず会社に忠誠を尽くすより、のんびりプライベートを充実させて実家から通いたいという本音でしょう。

 希望ですから何を望んでも個人の自由ですが、そもそも一般職OLって存在自体が今や終わりつつあります。中高年社員を追い出したいのと全く同じ理由で、ルーチンでできる作業なら契約終了時期を自由に設定できる派遣で十分。クラウドサービスや接客ロボットでもこなせる作業もたくさん出てきました。

 ある外食チェーンでは、スタッフではなく接客ロボットに予約番号を打ち込んで予約対応させるなど、完全に実用化が進んでいます。今さら人を雇わずに済む仕事に求人はありません。まして男性で事務職となれば、管理系専門職以外、民間ではきわめて限られたものとなります。

 高度な専門性を持つ人材は景気や求人動向とは関係なくニーズがあるのは過去ずっと変わりありません。つまり求人動向のような「一般論」は全く判断材料にならないのです。イキオイで後先考えずに退職するのは、当然昔も今もリスクがあります。辞めるなら「ご利用は計画的に」という自己責任は絶対必要です。

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