「亀田の柿の種」を壊したフリカキックス、今のところ「吉」あの会社のこの商品(4/6 ページ)

» 2019年05月09日 08時00分 公開
[大澤裕司ITmedia]

3カ月かけてカッターを開発

 デザイン以外でこだわったのが、柿の種とピーナツを砕くカッターであった。粗すぎず細かくなりすぎない、適度な食感が得られる最適な粒度(1粒の大きさ)を実現するために、砕き落とす穴の大きさの微調整を繰り返し、完成までに3カ月近くの時間を要した。

 最初につくったカッターは、現在よりも粗く砕くものだった。しかし、粗いと食感が悪い上に、砕かれた柿の種が歯茎に刺さる。次につくったカッターで砕いたところ、今度は細かくなりすぎ粉っぽくなってしまい、食感が損なわれた。そこで、1つ目の試作品と2つ目の試作品の中間の粒度になるよう設計したのが、現在のカッターである。なお、最適な粒度には明確な基準などなく、佐田氏の好みで決まった。

 カッターにはスリットが設けられている。途中から柿の種が滑ってしまい砕けなくなってしまうことから設けられた。

 当初は砕けなくなる原因がまったく分からず対応に苦慮したが、コーヒーミルなど食材をひく道具を見たところ、スリットの存在を確認。試しに採用したところ、問題が解決された。「一時は電動化も検討したほどでしたが、試しにスリットを入れてみたところ、柿の種が中で固定され安定して砕けるようになりました」(佐田氏)

柿の種カップに装着されているカッター(外カバーと組み合わせて撮影)。中央で二分しているのが、滑り止めの役目を果たすスリット
フリカキックスで砕いた柿の種

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