中国共産党全体の意思決定機関となるのが中央委員会だ。第19期(2017〜2022年)は中央委員204人、候補委員172人の計376人から構成されている。彼らは年1回北京に集まり、党の政策について議論、決定を下す。ちなみに候補委員は出席はできるが発言権はなく、投票もできないオブザーバー参加だ。
毎年春には「両会」が開催されている。全国人民代表大会と全国政治協商会議の総称だ。日本のメディアでは「日本の国会に相当」と紹介されることが多い。国会とは名ばかりで、法案が否決されたことはないが、両会をあえて中国政府版国会だと呼ぶのであれば、中央委員会が中国共産党版国会といえるだろうか。そう考えると370人という、会議には多すぎる構成人数も理解しやすい。
日本の国会との違いは開催期間だろう。中央委員会が開催されるのは年1回、約4日間だけだ。これだけの期間で全てを決めることはできないので、閉会中の意思決定機関がある。それが中央政治局だ。
中央政治局を構成するのが政治局委員だ。政治局委員は中央委員から選出される。政治局委員は現在25人が定員で、ポストによっては中央委員クラスに指示を出す立場にもなる。政治局委員25人の中から選ばれたトップ中のトップが、現在7人で構成される政治局常務委員だ。現在のメンバーは次の通り。
習近平総書記
李克強総理
栗戦書全国人民代表大会常務委員会委員長
汪洋全国政治協商会議主席
王滬寧中央書記処常務書記
趙楽際中央規律検査委員会書記
韓正常務副総理
この7人は党内序列の順番に並んでいる。会議などの席次や、メディアで紹介される順番はこの序列に従って定められているが、序列7位の韓正は、序列6位の趙の命令を絶対に聞かなければならない、というわけではない。
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