土肥: 京成上野駅の構内に「世界最強の坪効率」をうたった“店舗”が登場しました。広さは、1畳ほど。商品サンプルを飾るショーケースがあって、「これいいなあ」と思ったら、隣に設置している自販機のタッチパネルを操作することで購入することができる。ECサイトと自販機が合体したシステムは、どういった経緯で開発することになったのでしょうか?
湯本: 当社は40年以上、いわゆる“店づくり”を手掛けてきました。企画、デザイン、設計、施工などを行っていて、これまでどんな店をつくってきたのか。駅の売店、飲食店、携帯電話のショップ、自転車店など、さまざまな業界の店をつくってきました。
ただ、ECサイトの誕生によって、苦戦を強いられる店が増えてきました。こうした声を聞いていくなかで、会社として何かできることはないかと考えました。これまでにない新しい店舗を開発しなければいけないと考え、VR(仮想現実)を使って商品を購入できる仕組みをつくることに。利用者はマウスを操作して店舗を移動することができ、空間内に陳列された商品を購入できるシステムを開発しました。
土肥: (実際に見て)うわっ、これメチャメチャきれいですね。肉眼で見えないモノも、画面で確認することができる。
湯本: このシステムを使えば、Webブラウザ上に高精密な画像を再現することができる。ただ、問題がひとつありました。時代を先取りし過ぎていたんですよね。世の中の2〜3歩先を歩いていたので、1歩下がることにしました。
1歩下がるとは、どういうことか。仮想空間だけで買い物をしてもらうのではなくて、リアルに店舗を設置して、不特定多数の人に見てもらうモノにしようと考えました。こうした背景があって、ECとリアル店舗を融合した売り場を開発することに。こうして、「ミセデモ」が完成しました。
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