復活の兆しがある「社内運動会」は、本当に組織を活性化するのかスピン経済の歩き方(2/5 ページ)

» 2019年05月28日 08時00分 公開
[窪田順生ITmedia]

強い組織をつくるためのシステム

 そう聞くと、「ちょっと大げさじゃない?」と感じる方もいらっしゃるだろう。確かに、運動会をやれば一体感は生まれるし、チームワークが向上するのは事実だ。が、言ってもしょせんは1日ポッキリのイベントであって、チームビルディングだ、組織活性化だというのはちょっと話がデカすぎるのではというわけだ。

 だが、筆者に言わせれば、それは運動会をナメている。強い組織をつくろうとしたら運動会に勝るものはない。というよりも、そもそもこのイベントは、組織に属する人たちの忠誠心を育み、どんな命令でもハイハイと素直に従わせるために生まれたのである。

 組織にいる人間が、自分の頭で物事を考えて判断をすると、組織は崩壊してしまう。それを防いで強い組織をつくるには、自分で判断するのではなく、「集団に従う」ことが何をおいても大事である、ということを体に叩き込ませなくてはいけない。それを「競争」や「団体運動」通じて、楽しく分かりやすく、構成員たちに学習をさせる――というのが「運動会」というものの本来の目的なのだ。

(写真提供:ゲッティイメージズ)

 「おいおい、なんかヤベー奴の記事を読んじゃったよ」と今すぐ画面を閉じようとする方も多いかもしれないが、これが筆者の妄想や思い込みではなく、「事実」であることは、あの「チコちゃん」だって知っている。

 『チコちゃんに叱られる!』(NHK)でおなじみ、出演者に素朴な質問を投げかけて、答えられないと「ぼーっと生きてんじゃんねえよ!」とキレることで今や国民的な人気を誇る5歳女児である。

 ご記憶にある方もいらっしゃるかもしれないが、昨年秋、そのチコちゃんが「そもそも運動会をやるようになったのはなぜ?」という質問を、お笑いタレントの岡村隆史さんに投げかけた。もちろん、岡村さんは正解に至らず、いつものように叱られてしまうわけだが、その答えが以下である。

 「運動会をやるようになったのは兵隊さんがグレないため」

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