復活の兆しがある「社内運動会」は、本当に組織を活性化するのかスピン経済の歩き方(1/5 ページ)

» 2019年05月28日 08時00分 公開
[窪田順生ITmedia]

 先週末、5月とは思えぬ猛暑日の中で全国的各地で運動会が催された。

 暑さで意識朦朧としながらもどうにか「場所取り」やビデオ撮影を乗り切ったというお父さん、朝5時に起きて眠い目をこすりながらお弁当をつくったお母さんが、日本中で山ほどいらっしゃることだろう。

 一方、そのような我が子の応援ではなく、「自分自身が運動会に出た」という方も少なからずいらっしゃるのではないだろうか。近年、社内イベントとしての運動会を開催する企業が増えているからだ。

 社内運動会の企画・運営サービスを行う運動会屋のプレスリリースによると、実施件数は2008年にわずか5件だったものが、17年には236件と急増。そのほかにも、かつて社内運動会を行っていながらも止めていた大企業でも、続々と「復活」の動きがある。

(写真提供:ゲッティイメージズ)

 有名なのが、デンソーだ。報道によれば、リーマンショック後、先行き不安な空気が社内にまん延していた中で、社長が現場を元気にさせるためにと復活を決断したところ、これが大当たりで、社員同士のコミュニケーションも活性化し、現場のモチベーションやチームワークも向上、日々の業務に大きなプラス効果を生んでいるという。

 このような運動会への高い評価は、日本国内にとどまらない。インド、タイ、ラオスなどでも教育だけではなく、地域活性化の分野で「UNDOKAI」が注目を集めており、前出の運動会屋も米シリコンバレーに進出して法人を対象に「日本式チームビルディング」として展開しているという。

 TBSのバラエティ番組『メイドインジャパン!』だったらすぐに「日本のUNDOKAIを世界が賞賛!」「運動会のある日本に生まれたかったと外国人が大絶賛!」みたいなVTRをつくってしまうほど「日本の運動会」に注目が集まっているのだ。

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