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» 2019年05月30日 08時00分 公開

肉の概念を変えた:米国で“肉のようで肉でないモノ”が売れている、2つの理由 (2/5)

[藤井薫,ITmedia]

チキンよりもビーフが健康的ならば

 その戦略は的を得ている。というのも、米国では70年代から現在に至るまで、国民1人当たりの肉の消費量は変わっていない。だが、その内訳をみると、肉といえば圧倒的にビーフ人気だったのが、今ではピーク時から約3分の1に減ってしまった。それとは逆に、チキンの摂取量は2倍以上に増え、現在では最も多く消費されている。

 その背景には、健康意識の高まりがある。ただ、より健康的だとされるチキンを食するようになっているが、健康的であればビーフを食べたいという人も多いのが実態だと言える。

 ちなみに、摂取量が減っているとはいえ、米国人は年間約26キロものビーフを食べている。この量は、世界平均と比べると4倍にもなる。日本人のビーフの摂取量が年間約7キロだと知ると、いかに米国人が肉好きか想像できるだろう。

(出典:インポシブル・フーズ)

 米国人の健康志向は高まっているが、肉を食べないという選択肢はない。ビーフがチキンより健康的なら、そちらに手を伸ばす――。フーズ社はそこに目をつけたのである。

 しかも、同社が製造するミートレス食品の「インポシブル・バーガー」は、味がリアル過ぎると評判だ。従来のベジタリアン向け食品であれば、植物由来の材料で作られていることが重要で、どちらかというと味は二の次というようなところがあった。

 しかし、フーズ社は妥協せず、肉好きが求めるパテを再現することに成功した。2016年に提供し始めてから、わずか数年で急激にシェアを伸ばしているのは、多くの支持を集めているからだろう。

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