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» 2019年05月31日 15時00分 公開

子育て世代が住みやすい街に:従来の縦割組織から市役所はどこまで変われるか 全国最年少市長と“公募”女性副市長の改革 (1/3)

[村田朱梨,ITmedia]

 大阪府四條畷市(しじょうなわてし)は2017年、異例の方法で女性副市長を選出した。転職サービスを使って副市長候補を公募し、市長自ら書類選考や面接を担当。最終面接には、面接官として若手から管理職まで多くの市役所職員が参加した。約1700人の応募者から選ばれたのは、無料住宅情報誌「スーモマガジン」元編集長の林有理さん。市議会の承認を経て、17年10月に副市長に就任した。

photo 四條畷市の東修平市長と林有理副市長

 型破りな採用プロジェクトを始めたのは、17年1月に「全国最年少市長」(当時28歳)として四條畷市長になった東修平さん。選挙時の公約に「女性副市長の登用」を掲げており、同年6月に副市長の公募を開始した。

 東市長は「市役所の幹部の多くは、長年1つの市役所で勤め上げた男性職員だが、子育てしやすい街を実現するには、市役所で働く人も多様化した方がいいと考えていた」と話す。

 市役所に管理職クラスの人材を採用する知見はなかったため、人材会社のエン・ジャパンと採用プロジェクトを立ち上げ、人材のターゲティングを開始。ミドル向けや若手ハイクラス向けの転職サイトなど、複数の転職サイトを選んで求人を掲載した。

photo 現在募集中の採用プロジェクト第2弾のページより

 東市長は「副市長という職がどの層に刺さるかも分からない。一歩ずつ開拓していくしかなかった」と当時を振り返る。約1700人からの応募は、うれしい誤算だった。

 しかし、選考方法にも課題があった。副市長という役職は、さまざまな側面を持っているからだ。「副市長は、共に民意の代表である市長と市議会の折衝役であり、市役所職員の代表でもある。市長が決めたからではなく、市議会が納得し、市役所のみんなが『この人なら任せられる』と思える人でなくてはならない」(東市長)。最終面接に年代も性別もさまざまな職員を参加させたのは、職員の代表を職員自身に選ばせるためでもあった。

 職員の意見は、林さんともう1人の候補者で割れた。東市長は「どちらかを僕が選んでも『みんなの副市長』とはいえない」と、職員たちが納得できるまで話し合いを続けたという。選考中は2、30代の若手職員が何度も市長室に足を運んできたそうだ。そうして、最後には「この人しかいない」と決めて、市議会に林さんの名前を出した。

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