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パッと見ただけで年収が分かる時代が来る?――DMM亀山会長らが見通す未来AI時代の人間は「ガンダム」や「聖闘士星矢」のようになる(5/6 ページ)

» 2019年06月12日 05時00分 公開
GLOBIS知見録

AI時代の人間は「ガンダム」や「聖闘士星矢」のようになる

岡島:では、会場の皆さんに開きたいと思います。ご質問がある方はぜひ。

――今後10年間で、AIが「意識」や「感情」を持つようになるのでしょうか?

國光: この10年間でAIにできるのは、基本的には生産性を高めていく程度のことだと思っています。じゃあ、人間に残るものは何か。AIにできないのは、現状では仮説を立てること。先ほど「超簡単」と言ったのはAIを使って何をするかという部分であって、それは現在の生産工程やサービスといった領域ぐらいなんですね。じゃあ、今後はどう使うかというと、例えば相手と話すとき、ARグラスに「こういう話をしたほうがいい」「相手はちょっと喜んでいるよ」なんて表示されたら便利でしょ?

 そういう感じをつくることが重要になるんだと思います。とにかく、今あるものを効率化することはできるけど、今ないものはできないから、それをつくるという部分で人間が重要になると思っています。

 そして、そこからさらにもう1歩踏み込んだ仮説があるんですね。人間の五感ぐらいまではAIで代替できるけど、おそらくそこをAIがやるようになると、人間は何か違う、第六感や第七感が出てくるようになる。「ガンダム」や「聖闘士星矢」みたいな感じです(笑)。今までは機械が人間の肉体的な仕事を代替するようになって、それで肉体的な力がそれほど重要じゃなくなってきた。でも、これからは脳の部分をAIがやるようになって、脳の部分がそれほど重要じゃなくなっていく。そうなると心の部分に何かしら出てくると思う。僕がサウナに行っているのは、自分のなかの第六感や第七感が出てきたらいいなというのもあって。

亀山: スマホを持った時点で、第六感じゃないけど、ある意味でテレパシーのようなものを持ったわけじゃない。能力が1つ増えたみたいな話になった。そんな風に、これからはAIが感情を持つというより、人間が機械っぽくなっていくと思う。道具を使いながら人間自体が変わってくる。例えば俺が昔、動画配信を始めた頃は、ビデオレンタル屋にとって替わろうと思っていたんだけど、いつのまにかブログやYouTubeが出てきて、皆がコンテンツを自分で作って配信するようになった。機械に合わせて人の行動が変わっていった。それと同じで、AIが感情を持つというより、人がAIに合わせてちょっと考え方が変わってくるというのはあると思う。

岡島: 松尾先生(松尾豊氏:東京大学大学院工学系研究科 特任准教授)は以前、「人間がインディビジュアル(‘in’+‘divisual’)と言うのは、それ以上分けることができない、ディバイドできない単位になっているからで、それが人間の定義である」といったお話をなさっていました。その機械との境界線が曖昧になってくるというのはすごく面白いと思います。

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