――時間管理のツールは世の中に数多く存在しますが、バレットジャーナルだから解決できる問題は何なのでしょうか?
私はスケジュール管理についてはデジタルカレンダーも使っていますし、必ずしもバレットジャーナルが万能とは考えていません。デジタルかアナログかという二者択一ではなく、シーンによって適切なツールを選べばいいのではないでしょうか。
バレットジャーナルの強みは、時間管理というより“思考管理”の側面にあると考えています。先ほど申し上げたように、自分の感情に気付くことができますし、それ以上に人生をより良くするヒントを与えてくれるものです。記憶装置としてもバレットジャーナルは活用でき、過去の思考の痕跡を残しておくことで、同じような問題にぶつかったときによりスムーズに対処することができるでしょう。
――なるほど。ちなみにバレットジャーナルはキャロルさんが発達障害により日常生活を送るのに苦労したことから生まれたとのことですが、ご自身の状態について、どのように捉えていますか?
今より若い頃は苦労することも少なからずありました。世の中の環境は、私のマインドとは違うマインドを前提として形成されていますからね。だからこそ、自分の考えを整理するためにバレットジャーナルを発明せざるを得なくなったのです。
私は、これまでの経験から、自らの課題を解決できるのは自分しかいないことを知りました。救命ボートのように助けに来てくれる存在はない。困難な状況を抜け出すためには自分で船を作るしかなく、私にとってはそれがメモを取るという行為、すなわち「バレットジャーナル」だったというわけです。
ただ、バレットジャーナルが世界各国の数えきれないほどの人々の助けになっている今、私は過去の苦労以上に大きな価値を得ていることを感じます。ですから、“障害”とはもはや考えていません。
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