なぜあの商品は売れた? 行列研究所が謎に迫る
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» 2019年06月25日 08時00分 公開

スピン経済の歩き方:NZ産のキウイは「アゲアゲ」なのに、なぜ国産は「サゲサゲ」なのか (5/5)

[窪田順生,ITmedia]
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日本の農業は「危機」に直面

 ご存じのように、日本の農業は「危機」に直面している。政府は日本食がウケているんだから、日本の農産物もウケんじゃね、みたいな軽いノリで農作物の輸出促進の背中を押すが、言うまでもなく、輸出で大事なのは「規模」である。

 農業関係者もそのことをよく分かっていて、農業経営体の全体数は減少する一方で、規模の大きな経営体が増加し、法人化も進んでいる。

 規模が大きければ、賃金も上げられるので、若い人たちに働いてもらうことができる。設備投資やマーケティングも戦略的に進めることができるし、何よりも価格競争に勝てる。

 このようなスタイルの成功モデルがゼスプリなのだ。この先、日本の農産物を輸出していこうと考えるのなら、明治の日本人たちのように、先進国のノウハウを貪欲に吸収して、自分たちのものにしていかなくてはいけないことは言うまでもない。アゲ、アゲリシャスなんて踊らされている場合でないと言った真意が分かっていただけたのではないか。

 『世界で最も成功を収めているキウイフルーツのマーケティング会社』(18年6月21日リリース)のやり方から多くを学び、ぜひとも日本の農業も、世界の消費者を踊らせていただきたい。

窪田順生氏のプロフィール:

 テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。

 近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。


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