やることは難しくない。会議で感じたこと、良かった点、改善点などを自由に話せばいい。
――といった会話をしてみよう。Check Pointの内容は、基本動作4「議論を可視化する」でやったように、書き出していこう。
【感想】
【良かった点】
【改善点】
これだけで、今後も継続してやるべきことが明確になり、改善すべき点も明らかになる。
こう書くと、「かっこいいことを言いたい!」「鋭いことを言わなくては!」などと考えてしまいがちだが、そんな必要は全然ない。ごくカジュアルに、感じたことをそのまま話せばいいのだ。「なんかすっきりしないな」とか「よく分からないけど、半分くらいの時間でできた気がする」とかでいい。
アドバイスをしようとすると、途端にハードルが上がるし、特に上司には言いづらくなってしまう。だが「感じたこと」には正解も不正解もない。なぜなら、当人がそう感じたのは事実であり、誰にも否定できないことだからだ。だから、振り返りではまず「感じたこと」を率直に話すところからやってもらいたい。
会議の終わりにたった数分振り返りの時間をとるだけで、毎回気付きがあり、品質が上がっていくのを実感できるのではないかと思う。
振り返りの担当者を会議の最初に決めておくのもおすすめだ。担当になった人に「会議を観察してよかった点、悪かった点」を会議の最後にコメントしてもらい、そのまま振り返りの場を仕切ってもらうのだ。「会議を振り返る」という役割が明確になっていれば、そういう目で会議を見るようになるし、周囲に対しても「振り返りをしましょう」と切り出しやすくなる。
会議に必要なファシリテーションの基本動作の解説は以上だ。番号の若い方が難易度が低く、実践しやすくなっている。会議を変えようと思ったら、基本動作1から確実に実施するのがお勧めだ。
コンサルティング会社 ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズのコンサルタント。一級建築士。ファシリテーションとITを武器に変革プロジェクトを支援しています。
議論に集中できない、参加者が内職や居眠りをしている――。そんな“ダメ会議”からどうすれば脱却できるのか。会議の生産性を高めるポイントを、榊巻亮さんの著書『世界で一番やさしい会議の教科書』と『世界で一番やさしい会議の教科書 実践編』から紹介します。
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