この記事は榊巻亮氏のブログ「榊巻亮の『ブレイクスルー備忘録』」より転載、編集しています。
「脱ダメ会議」を目指すこの連載では、これまで会議の開始時・進行時・終了時のポイントを解説してきた。今回は、会議を始める前の準備段階でやるべきことを紹介しよう。
まずは、これまで解説してきた基本動作1〜4のおさらいをしていこう。会議開始時には「会議の終了条件」と「時間配分」を確認し、進行中は質問と結論を意識しながら議論を書き出して「可視化する」。会議終了前には、「決まったこととやるべきこと」を確認して、抜け漏れがないようにするとともに、参加者が結論を理解する時間を取る――というのが前回までの内容だ。
ここまでやれば会議は相当うまくいくのだが、スムーズに行うためには当然、準備が必要だ。ぶっつけ本番でできるならいいが、それこそ達人でなければ難しい。私が所属するケンブリッジというコンサルティング会社では、昔から「会議は準備が8割」と言われている。
準備の役割は、「導入」「進行」「まとめ」がスムーズに進められるように、事前にシミュレーションして、必要なものをそろえておくことだ。では、準備に必要なものとは何だろうか?
会議の準備と言われると、「会議室を押さえる」「資料を作る」「テレビ会議システムを用意する」「参加者に声を掛ける」――といったことを思い浮かべるだろうのではないだろうか。どれも間違いではないが、こうした要素は準備のごく一部に過ぎない。
ここで少し考えてみたい。そもそも、何がそろったら準備完了といえるのだろうか?
冷静に考えると、どうすれば準備完了といえるのか分からないまま、まっとうな準備ができるわけがない。まずは準備の終了条件を知ることが重要なのだ。私は、「『4つのP』がそろったら準備完了」であると考えている。
4つのPとは、目的(Purpose)、参加者(People)、進め方(Process)、装備(Property)のこと。全てがそろって初めて「準備完了!」といえる。どれが欠けてもダメだ。それぞれについて、どんな点に気をつければいいか確認していこう。
会議の目的とは、「会議で何を達成したいのか?」。つまり、会議の終了条件だ。これを事前に考えておく必要がある。基本動作2「会議の終了条件を確認する」でも解説したが、「どういう状態になったら会議を終わりにできるのか」を考えるという話だ。どんな状態を目指すのか決まっていなければ、どこにもたどり着けない。
終了条件はその場で考えてもいいのだが、終了条件が変われば、必要な参加者も進め方も変えなくてはいけなくなる。あらかじめ決めておく方がいいだろう。具体的な方法は、基本動作2の解説を参照してほしい。
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