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» 2019年07月31日 08時00分 公開

「滅びゆく会社」の特徴とは:優秀な人が大量に辞めていく企業の共通点は? 「人材流出企業の覆面座談会」で明らかに (2/6)

[酒井真弓,ITmedia]

顧客が置き去りな戦略

――サポートさんの会社は、うまくいっていると思っていました。

サポート 私は、“表向きは急成長しているように見える企業”で、ユーザーサポートとして働いています。入社してしばらくは、ユーザー視点でサービス開発を進めるメンバーを尊敬し、彼らの思いがユーザーに届いていることも実感していました。しかし、上場を目指して、売上を伸ばそうとコンサルタントの力を借りるようになってから変わり始めて……。

一同 コンサル……(察し

サポート コンサルタントは、そもそも私たちのサービスを使ったこともなく、ユーザーにとって何が利益で不利益なのかを理解しないまま、さまざまな提案をしてくるので、日増しに現場の開発者との衝突が増えていきましたね。

技術 どんな提案で衝突したの?

サポート 例えば、「ユーザーのデータを活用しよう」というコンサルタントの提案自体はまっとうなのだけど、“ユーザーのデータでお金もうけをしよう”という「目的」が先に立ってしまっているんです。大切なのは、「ユーザーがここに来る価値を私たちが提供できているかどうか」なのに……。

技術 当社と似ているかもしれない(笑)。短期的な利益を求めて“ユーザーに提供する価値”を軽視すれば、サービスは劣化するんですよ。でも、「目先の売り上げ欲しさ」にそれを推奨してしまって、達成した人が出世する。そんなやり方は場当たり的で、中長期的に見ると害悪でしかないのに。

サポート 本来、サービス開発とは「価値が先で、お金は後でついてくるもの」だと思うのですが、あるタイミングから当社も、それが理解されにくい風土になってしまいました。サービスを通じてユーザーとの絆を構築するのは、やりがいがあると同時にとても大変なわけですが、それが壊れるのはあっという間、ということを実感しました。

現場感覚がないリーダーによる「上司ごっこ」

――なぜ、場当たり的な施策に走ってしまうのでしょうか?

営業 現場感覚をなくした人が、経営やマネジメントの役割を担うことと因果関係がありそう。市場環境がこれだけ変化し、複雑化しているのに、それを正しく洞察できない人がリーダーになり、一昔前の成功体験を引きずって、最新のニーズを知らないままに戦略を立て、働く人をしらけさせている気がしますね。

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技術 現場のことは現場の人間が一番よく知っているのだから、現場をまるで無視した意思決定は、現実感を伴わないものになりがちです。ただ、現場の話をそのまま吸い上げただけだと、まとまりがないので、現場で起きていることを理解し、そしゃくして方向性を決められる人が経営やマネジメントを担当すべきですね。

営業 当社は、現場感覚がない上司によるマイクロマネジメント(業務のあらゆる手順をことこまかに監督し、意志決定の一切を部下に任せないマネジメント手法)が横行している感がありますね。いいかげん「上司ごっこ」はやめてほしい。

技術 マイクロマネジメントをしたいわけではないんだろうけど、現場感覚をなくしたマネジャーは、部下がどこで何をしているのか、何が起こっているのかを全て知らないと心配になってしまうんですよね。

 本当は要所要所を押さえればいいのだけど、現場感覚がないから、要所がどこか分からない(笑)。その結果、部下に細かいことまでしつこくヒアリングしたり、全ての会議に参加したりするようなムダなことをやってしまう。

 で、それでもよく分からないと、動ける部下に対して嫉妬めいた感情まで生まれてしまい、部下に情報を共有せずにせき止め、自分と部下との間に情報格差をつくることで自らの優位性を保とうとする人も出てきます。

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