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» 2019年07月31日 08時00分 公開

「滅びゆく会社」の特徴とは:優秀な人が大量に辞めていく企業の共通点は? 「人材流出企業の覆面座談会」で明らかに (3/6)

[酒井真弓,ITmedia]

―― 人材が流出している皆さんの会社は、どのような止血処置をとっているのですか。

サポート 社長と人事部長と若手社員を集めた飲み会が開催されましたね。

広報 飲み会やランチを急にやり出すのは、人材流出企業あるあるですよね。

サポート でも、社長や人事部長とは普段、話す機会もなく、どこまで自分や仕事のことを把握しているのかも分からないから、話したところで何をくみ取ってくれるのかも分からない。そんな人たちから、いきなり「私に相談してください」といわれても、何か変わるとは思えなかったですね。

営業 そもそも相談する相手は、こちらが選ぶよね。前の上司は、「現場が経営層に直接進言するのは難しい。自分が代わりに伝えるから、困ったら言ってくれ」という姿勢で、相談しやすかったかな。

新たな人事制度を作っても機能しないケース

人事 冒頭で広報さんの話にもあった人事評価の不公平感は、よくクローズアップされる問題です。これまでの経験上、人事評価への不満のおよそ8割は、制度自体ではなくその運用に原因がありましたね。

技術 ITシステムと同じか。運用できないのに制度を作りこみすぎるから破綻するんですよ。

人事 人事評価制度を変えること自体はいいことなのですが、なぜ変えたのか、何を見ていこうとしているのか――という大事なところを、人事部が説明しきれていないこともよくありますね。社員の期待の100分の1くらいしか説明できていない。

 人事部としては、苦労して制度を作り、全社員に説明して、「これ以上何ができるんだ」と思っているけれど、一人一人の社員からすると、一回説明会が開かれて、「詳しくは資料見てね」で終わったという印象だった――と言われたことがあります。

技術 究極をいうと、何をやっても同じなんですよ。シンプルな制度を浸透させ、徹底的に使い込むことのほうが重要だと思いますね。

人事のトップが「社員を導く」という傲慢

広報 私が気になったのは、人事のトップが「社員を導く」と発言していたこと。「あなた、何さまですか?」って思いましたね。それって社員を子ども扱いしているし、おごった考え方じゃないかと思うわけです。

人事 そんな全能感を持った人事部長は、昔ながらの日本の大企業にしかいないと思います。もちろん時代遅れだし、あり得ません。もしかすると、その人事部長は、経営が持つ「人事観」を体現しようとしている犬なのかもしれない。

営業 経営や人事の思い上がりが、会社を蝕んでいくんですね。

人事 確かに昔の人事は、「校則のようなルールを作って守らせること」が一つの役割でした。しかし、今の人事は社員を顧客として見立て、「できる社員のパフォーマンスをどう最大化していくか」を考える必要がある。それを念頭に置いた「HRトランスフォーメーション」は、今、多くのまともな人事部が意識しているところです。

 そもそも、「人なんか辞めたって、うちは採用には困らないから」というような「危機感のない人が人事をやっている会社」ほど、実際には人材流出しているし、流出した人材を上回るハイパフォーマーを採用できていない、という話はよく聞きますね。

安易な「シニア狩り」が人材流出を加速

人事 流出すべき人を適切に流出させることは、優秀な人材の流出を防ぐ一つの策ではありますが、一方で、能力に関係なくシニアを大量に切ったら、若手も辞めてしまった――というケースも聞きますね。

営業 経営や人事が信頼できない中で、尊敬できる上司や先輩が切られたら辞めるでしょうね。

技術 狙った人だけを辞めさせるのは無理なんですよ。どこがどうつながっているか分からないから制御できない。制御できると思っている人は相当甘いですよ。

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