コラム
» 2019年07月26日 05時15分 公開

「絶滅危機」のウナギ、真の復活への道とは「土用の丑の日」に憂う【後編】(5/6 ページ)

[真田康弘,ITmedia]

流通・消費者の取り組み

 最後に流通・消費者の役割だ。例えば日本最大手のスーパー、イオンは6月3日、静岡県と浜名湖養魚漁業協同組合などとの協力を得て、大手小売業界で初めて完全にトレーサビリティーを確保した「静岡県浜名湖産うなぎ蒲焼」を発売した。インドネシア産のビカーラ種ウナギの蒲焼とともに完全トレース品として販売している。

 イオンによると、中国でも、浙江省寧波や江蘇省南通など、一部の地方で採捕されたシラスウナギを使い、稚魚の産地まで分かる製品生産のめどが立ったとして、インドネシア産10%、静岡産5%と合わせ、40%がトレーサビリティーを確保した製品として販売可能と解説し、23年までに全てのウナギ商品の完全トレース化を目標としている(水産経済新聞19年6月4日)。

 われわれ消費者も、トレーサビリティーが確保されたウナギを買うといった購買行動によって、業界へ影響を与えることができる。

 消費者は、購買という選択に加えて、SNSなどでの意見表明によっても、持続可能なウナギ利用に貢献できる。例えば高知県は、極端なシラスウナギ不漁に見舞われた18年、3月5日までの漁期を20日まで15日延長(高知新聞18年2月28日) 、鹿児島県も3月10日までだった漁期を3月末まで21日間延長した(南日本新聞2018年3月11日) 。

 これに対しては高知県の関係者も「(シラスウナギを)取らせたくない方々から相当な批判を受けて『炎上』した」と認めるほどSNS上で批判が集まった。今年もシラスウナギ漁は前年を下回る不漁に終わったが、採捕期間は延長されていない。SNSでの「炎上」が、この判断に寄与したともいえよう。 

photo 2018年にイオン葛西店の売り場で販売されていたウナギ

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