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どうする? 社内の“脱・タコツボ化” 働きがいがある会社の取り組みは(2/3 ページ)

» 2019年08月08日 12時00分 公開
[榊巻亮ITmedia]

QOWL各社が実施する、インターナルコミュニケーションを活性化する取り組み

 次に、インターナルコミュニケーションを活性化するために行っている各社の取り組みを見てみたい。小さいことから大きなことまでいろいろな取り組みがあったので、カテゴリーに分けて列挙する。

一緒に何かする機会を設ける

  • タコランチ――freee

 他の部署のメンバーとランチに行くと食費が補助される制度。「タコ」は他部署のマネージャーとコミュニケーションランチに行く、の略だという。

  • おむすびの会――gCストーリー

 月に1回、全社員が参加する親睦会。少人数のテーブルに分かれて座り、業務で関わりの薄い他部署の社員とも深く語り合うことができる。

  • チームイベント制度――ケンブリッジ

 普段一緒に働いているメンバーが「ワンチーム」になるために親睦を深めるなら、そこに会社からお金を出しましょう、という制度。月1回、メンバーで飲みに行くことが多い。

  • 遊び代一人2000円制度――コンカー

 コンカーでは、年に数回、「一緒に遊びに行く」企画を立ち上げ、仲間を募り、一緒に遊びにいくということだ。その費用として、一人あたり2000円が会社から支給される。

  • 全員参加のオフサイトミーティング――ケンブリッジ、コンカー

 全員が参加して、丸々2日、会社について議論する取り組み。全員参加というのがポイント。

オフィスを意図的にデザインする

  • ワンフロアへのこだわり――コンカー

 階が変わると途端にコミュニケーションが悪化する――という信念のもと、ワンフロアにこだわっている。また、フロアの中央には共有スペースを設けて、各デスクからのアクセス距離を同じするというこだわりも。共有スペースで社員同士が交わることを狙って、オフィスをデザインしているようだ。

  • 他のフロアに行く必然性を作る――freee

 コンカーより規模の大きいfreeeでは、ワンフロア化するのが難しい。その分、フリードリンク用サーバを特定のフロアに設けたり、休憩スペースを集約するなど、社員が特定のエリアに集まりやすい工夫をしていた。社員同士が交わる機会を意図的にデザインしているのがよく分かる。コンカーとはやり方が違うが、結局、実現したいことはどちらも同じだ。

  • 完全フリーアドレス――ケンブリッジ

 オフィスレイアウトでいくと、ケンブリッジはまた少し違うことにこだわっている。社長であっても固定席は持たない。もちろん個室もない。全員が自由に動いて、偶発的なコミュニケーションが生まれるようにオフィスをデザインしている。

  • ルイーダの酒場――ケンブリッジ

 業後に社員がコミュニケーションしやすいように、社内に酒場がある。ドラクエで登場する、共に冒険するメンバーを集める、出会いと別れの酒場「ルイーダの酒場」から名前をいただいている。お酒に詳しい社員が、よりすぐりの銘柄を並べてくれており、金曜日ともなると、ワイワイガヤガヤやっている。

 freeeやコンカー、gCストーリーも、社内にバースペースを設けていた。

Photo ケンブリッジ内のバースペース「ルイーダ」

1対1でコミュニケーションする機会を仕込む

  • RAVEメール――ケンブリッジ

 オフィスとは少し違った観点で見ると、お互いに感謝する機会を設けている会社も多かった。例えばケンブリッジでは、感謝をメールで送る仕掛けがある。思い付いた時に即、1on1でメールが送れるのがなかなか良くて、気軽に利用できる。言葉に出して感謝すると、やはりそこでコミュニケーションが生まれる。

  • 旅行ボード――コンカー

 オフィスの真ん中に世界地図を貼り、行ったことがある場所に、自分の名前のシールを貼っていく。これは見てるだけでも面白い。ボードの前で「え? ○○さん、ブエノスアイレスに行ったことあるんですか? どんなところでした?」みたいな会話が自然に生まれるのが想像できる。これもコミュニケーションを促すための良い仕掛けだ。

Photo コンカーのオフィス内にある「旅行ボード」

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