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どうする? 社内の“脱・タコツボ化” 働きがいがある会社の取り組みは(1/3 ページ)

» 2019年08月08日 12時00分 公開
[榊巻亮ITmedia]

この記事は榊巻亮氏のブログ「榊巻亮の『ブレイクスルー備忘録』」より転載、編集しています。


 「働きがいのある会社」に共通しているものは何なのか――。本連載では、その疑問に答えるべく、「働きがいのある会社」ランキング上位に選ばれた5社(コンカー、gCストーリー、freee、マルケト、ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ)の勉強会「QOWL」の活動を通じた各社の取り組みを紹介しながら、働きがいを高めるための秘訣(ひけつ)と施策を探っていく。

 連載の第1回では、働きがいを高める取り組みで目指すべき「4つの状態」を明らかにし、第2回では、「経営理念の伝播・共感」について解説し、3回目では、「企業カルチャーを示し、社員がそれを『当然だよね』と思う環境を保つ」ための取り組みを紹介した。

 今回は、「インターナルコミュニケーションをデザインし、良好な状態を保つ」について。これは、インターナルコミュニケーション、つまり社員同士のコミュニケーションを計画的に促進していくということで、QOWLの5社とも、この取り組みを重視していることが分かった。

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インターナルコミュニケーションの重要性とは?

 インターナルコミュニケーション(社員同士のコミュニケーション)が、なぜ重要なのか? 多分、幾つか視点があるのだが、私なりの解釈を整理してみると、大きく4つの効果が期待できると思う。

 QOWLの各社が明確にこれを意図しているかは分からないが、おそらくこのような理由で、インターナルコミュニケーションに力を入れているのだろう。

1. 社員同士がよく会話することで、心理的安全性が確保される

 Googleの研究で有名だが、チームのパフォーマンスに影響を与えていたのは心理的安全性だという話がある。

 周りの目を気にせずに、常に本音で思ったことを言い合える環境が成果に強く影響している。同じメンバーであっても、心理的安全性が確保されているときと、そうでないときとでは、明確に成果に差が出ていたという。

 インターナルコミュニケーションを良好に保つのは、心理的安全性を高めることに直結する。

2. 経営理念・カルチャーが伝播・醸成・共感される場が生まれる

 当連載の第2回で「『経営理念が伝播(でんぱ)・共感された状態』を保つ」こと、第3回で「企業カルチャーを示し、社員が『当然だよね』と思う環境を保つ」ことの重要性を説明したが、これらの状態を作り出すために、インターナルコミュニケーションの場が有効に作用する。「経営←→社員」だけでなく、「社員←→社員」の対話も当然、大事だ。

3. 社員のもやもやがすぐに解消できる

 インターナルコミュニケーションが増え、心理的安全性が確保されれば、社員のモヤモヤした思いはすぐに場に吐き出され、解消されていくことになる。

 風通しの悪い会社だと、社員が陰で文句を言っていたり、一人でいろいろと問題を抱え込んでしまったり、不健全な状態になってしまう。コミュニケーションが活発だと、これが自然と治癒されていくのだろう。

4. 会社が明るくなる

 社員が、雑談や冗談を言い合っている会社の方が雰囲気がいい。コンサルという仕事柄、いろいろな会社に出入りしているが、この傾向はハッキリとある気がする。シンプルだが、こういう効果も重要なのだ。

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