客単価が1割増 もう1つのキャッシュレス、店舗のプリペイドカードが伸びる理由(3/4 ページ)

» 2019年08月02日 11時20分 公開
[斎藤健二ITmedia]

コストを負担しても、プリペイドにチャージしてもらう

 例えば、ハウスプリペイドにチャージをするためのチャージ機だ。数十万円の費用がかかる機械だが、レジでチャージをするのに比べチャージ金額が59%も増加するのだという。さらに、Webを通じてクレジットカードからのチャージも効果がある。カード会社に2〜3%の手数料を取られるが、チャージ金額はレジに対して95%増。手数料を払っても、たくさんチャージしてもらうほうが効果が大きい。

ハウスプリペイドを導入したスーパーに置かれたチャージ機。銀行口座から直接チャージできる機械も用意した(=バリューデザイン)

 コーヒーチェーンのドトールコーヒーでは、自社のハウスプリペイドで、チャージするだけで10ポイントを提供。さらに、2000円以上チャージすると5%のポイントを付与する。毎月1日にはさらにボーナスポイントの提供も行っている。

 ステーキチェーンのいきなり!ステーキのハウスプリペイドでは、チャージ額に応じてポイント付与率を変更している。1万円以上のチャージで3%分のボーナスを付与する仕組みだ。

チャージ手法によるチャージ金額の比較(=バリューデザイン)

 ちなみに、決済した額をあとから支払うクレジットカードのようなポストペイ型や、決済した額だけを即時に銀行口座から引き落とすデビット型では、このような囲い込み効果は期待できない。事前にチャージするという特性が、囲い込みにマッチした。

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