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» 2019年08月08日 07時10分 公開

動く絵本を天井に映す「Dream Switch」、1万5000円もするのに10万台以上売れたワケあの会社のこの商品(2/5 ページ)

[大澤裕司,ITmedia]

子どもの寝かしつけに悩んだ経験から企画

 誕生のきっかけは、企画を担当した同社の土屋貴由氏(企画本部プロダクト企画部 プロデューサー)の経験があった。土屋氏は現在、小学3年生と幼稚園年長組のパパ。夫婦共働きで、週に2〜3日、子どものお迎えと寝かしつけを1人でしなければならない時があった。

 「下の子が2歳になったころから、妻がいないと子どもの寝かしつけに苦戦するようになりました。何とか1人を寝かしつけ、もう1人寝かしつけようとしている時に、寝たはずの子どもがまた起きてしまうことなどザラ。早く寝かせないと子どもの成長によくないという思いから、つい焦ってしまい、なかなか寝ない子どもたちに何度も言葉を荒げてしまったことがありました」

 土屋氏は、子どもたちが早く寝てくれる方法を調べては、良さそうなものにトライすることを繰り返した。しかし、思ったような効果が得られず、いつしか「子どもの寝かしつけが楽になる商品があったら……」と思うようになっていた。

 そんな時、ふと目についたのが、彼がマーケティングを担当していたセガトイズの家庭用プラネタリウム「HOMESTAR(ホームスター)」であった。

 「子どもが早く寝つく方法としてよく言われるのが、本を読み聞かせることと部屋を暗くすること。部屋を明るくして本を読むから寝てくれなかったわけですが、暗くすると本が読めません。でも、部屋の天井に星空を映し出す『HOMESTAR』を見た時、暗い部屋の天井に絵本とかを映し出すことができればいいのでは? とひらめきました」(土屋氏)。早速、同じ悩みを持つ社員でチームを結成することにした。

「Dream Switch」開発のヒントになったセガトイズの家庭用プラネタリウム「HOMESTAR」。写真は「HOMESTAR Classic」

 まず、インターネットで小さな子どもがいる人1000人ほどを対象に、子どもの寝かしつけで悩んでいる親たちがどの程度いるのかを調べたところ、半数近くが悩んでいることが判明。また、悩んでいる人の半数以上は30〜60分以上かけて寝かしつけていることも明らかになった。

 プロジェクターの活用は、チームメンバーからの提案だった。優れたアイデアだったが、頭をよぎったのはコストの高さ。プロジェクターは小型でも数万円はする。それに、一般的なプロジェクターは明るすぎて、子どもの寝かしつけに使うと興奮させてしまう。音も大きく、使っていくうちに本体が熱くなり、独特の臭いもする。子どもの枕元近くに置いて使うには適していなかった。

 安い、明るすぎない、音がほとんどしない、熱くならない、独特の臭いがしない、といった条件に合うプロジェクターモジュールを探すのは難航。理想のものを見つけるまでに、半年近くの時間を要した。

「Dream Switch」の企画を担当したセガトイズの土屋貴由氏

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