動く絵本を天井に映す「Dream Switch」、1万5000円もするのに10万台以上売れたワケあの会社のこの商品(3/5 ページ)

» 2019年08月08日 07時10分 公開
[大澤裕司ITmedia]

1000回の実験を経てつくられたコンテンツ

 コンテンツは、講談社の「ディズニーゴールド絵本」を活用。事前の調査では、要望は後に発売される「動く絵本プロジェクター Dream Switch」に収録している日本や世界の童話・絵本の方が大きかったが、子どもと親の両方が楽しめるという理由から、ディズニーを先に展開することにした。

 意外なことに、キャラクターや背景の動き、ナレーションのスピードや声のトーンといった入眠を促す要素は、手探りで最適解を見つけたという。土屋氏は次のように話す。

 「子どもの寝かしつけに詳しい専門家や、寝かしつけに関する研究成果などを探したのですが、探した限り見当たらなかったことから、いろんな映像をつくり実験を繰り返しました。実験はのべ1000回実施しています」

 また、子育てに関する本をたくさん読んだ土屋氏は、そこから得た知識として、自発的な睡眠を促すために物語に必ずオープニングとクロージングを設けることにした。例えば、「ディズニー&ディズニー/ピクサーキャラクターズ Dream Switch」では、物語が始まる前と終わった後にミッキーマウスが登場し、子どもたちに次のようなメッセージを伝える。

【物語が始まる前】

やあ僕はミッキーマウス

ようこそ楽しいお話の世界へ

さあて、今日はどんな本を選んでみようかな

【物語が終わった後】

お話はどうだったかな

おや、ミニーもドナルドも寝ちゃったみたいだね

グーフィーも、デイジーも、プルートも楽しい夢をみているみたい

ふぁああ、なんだか僕もねむくなってきちゃったよ

今日はどんな夢がみられるのかな

さあ、目をつぶってみて

おやすみなさい

また、明日ね~

 「物語が始まる前に、そろそろ寝る時間だということを分からせ、終わったら『おやすみなさい』と語りかけることで、自発的な睡眠を促すようにしました」と土屋氏。少しずつ話が理解できるようになる3歳あたりから、効果が表れるようになるという。

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