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» 2019年08月23日 05時00分 公開

「模型の世界首都」静岡市――タミヤ社長が「新時代のプラモデル」を語るホビーショーで「地方創生」(2/4 ページ)

[小林昇,ITmedia]

世界に珍しい「プラモデル王国」

 現在、静岡県にはタミヤ、アオシマ、ハセガワなどが本社を置き、ガンダムを生産するバンダイスピリットも工場を置いている。そして全国のプラモデルの売り上げに占める静岡県の割合は9割を超えるという。なぜ静岡県に模型メーカーが集中しているのだろうか。答えのひとつは静岡模型教材協同組合が出版した『静岡模型全史』という本に書かれている。

 静岡県は県中央に安倍川、西部に大井川と天竜川が流れ、その水運を使って木曾、飛騨の豊富な農林資源を運ぶことで、木材加工業が発達していた。すなわち家具製造や漆塗り、竹器、雛人形、建具などの製造が行われていた。戦後、焦土と化した静岡で再開された木製の教材、玩具、模型の生産が、1960年代になって新素材であるプラスチックを使ったプラモデルに移行したのだという。

 60〜80年代にかけては東京や栃木にも国産プラモデルメーカーが存在したが、多くは鉄道模型やトイガンなどに転身し、現在は自社で生産を行うメーカーはほぼ無くなった。それに対し在静岡のメーカーは愚直ともいえる姿勢でプラモデルと向き合い、世界に珍しいプラモデル王国を築きあげたといっていい。

 現在、世界的に見ても玩具や模型などのホビーを扱う見本市は減少しつつあり、静岡ホビーショーの集客力は例外といっていい。

phot ミニ四駆の生みの親、タミヤの田宮俊作社長。静岡模型教材協同組合の理事長でもある

 「見本市が成功するためには、チェアマンが頭を使わなくてはならないですね」。そう語るのは静岡ホビーショーを運営する静岡模型教材協同組合の理事長・田宮俊作さんだ。田宮さんは株式会社タミヤの社長でもある。

 「かつてはプラモデルを扱う見本市は世界中で開かれていました。しかし現在では毎年2月にドイツのニュルンベルクで開かれるシュピールヴァーレンメッセと、日本の見本市ぐらいしかなくなってしまいました。シュピールヴァーレンメッセはメーカーとバイヤーしか入場できないし、入場料も高額。それに対して静岡は一般客でも見学できる日を設け、入場料は取りません。一般ユーザーはプラモデルを見て、触って、遊ぶこともできる。そういう工夫が必要でしょう」(田宮理事長)

phot 1994年に発売され、“第2次ミニ四駆ブーム”に火を点けた「フルカウル」タイプのミニ四駆
phot 1/800 初のオールプラスチックモデル・戦艦大和(昭和35年5月発売)

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