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日本マイクロソフト社長の働き方――平野氏単独インタビュー(前編)重要なのは「人」(3/3 ページ)

» 2019年08月28日 09時20分 公開
[大河原克行ITmedia]
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―― この4年間の日本法人社長としての経験は、平野社長の人生にどんな影響を及ぼすと考えていますか。

平野 日本マイクロソフトの社長に就任する前に、東欧の25カ国を統括する仕事をしていましたが、そのとき、異文化というものに接することができ、大きな経験をすることができました。日本マイクロソフトの社長としての4年間もそれと同じぐらいの経験をしましたね。

 4年間で、経営者や政治家、現場の方々など、さまざまな人にお会いすることができ、考え方や生き方など、学ぶところが多々ありました。いままでとは違う視点を持つことができたことは私にとって大きな財産です。そして、パートナーと一緒に仕事をしたり、リーダーシップを発揮したりすることによって、会社や社会を変えることができるということを、自ら体験しながら、知ることができた4年間でもあったといえます。

 努力することに無駄はありません。必ず何かにつながるという経験をしました。成功も、失敗もすぐに結果が分かりますし、うまく進んでいないことにフラストレーションを感じたり、チームの踏ん張りに感動したり、といったこともありました。本当に大きな学びができた4年間でした。

 その一方で、日本に対する気持ちが強いですから、こんなところをもっと変えていかなくてはならないということも実感しています。例えば、日本の企業は、動きが遅く、そこに危機感を持っています。石橋をたたいて物事を進めるという手法は、日本的ではありますが、グローバルで戦うには、それをなんとか変えていかなくてはならないという焦りもあります。ここ数年で、日本マイクロソフトだけでなく、パートナーやお客さまのスピードも上がってきましたが、もっともっと速くできるのではないかという気持ちはありますね。

―― 日本マイクロソフトの社長としての成果を自己採点すると何点になりますか。

平野 それは難しいですね。ただ、合格点ではあると思います。ビジネスレベルでの成果はあげています。ただ、もっとできたという気持ちがありますし、学んだことをもっとアップグレードすることができたという気持ちもあります。

 次回は、米本社および日本マイクロソフトにおける新たな仕事について、そして、平野社長の後任となる次期社長について触れる(→後編)。

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