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場所を選ばずに共同作業が行える、Microsoft製品を活用した最新仕事術とは業務を効率化するITツールの最新事情(1/2 ページ)

» 2019年07月03日 06時00分 公開

 前回、「話題のビジネスチャットツールを導入するメリット」と題して、ビジネスチャットツール特徴や、なぜいま企業ユーザー各社で導入が進んでいるのかをまとめつつ、その代表的製品であるSlackとTeamsの簡単な紹介を行った。

 今回からは各製品についてより踏み込んだ紹介をしていきたい。まずは、近年急速に利用企業が増えているMicrosoftの「Teams」についてまとめる。

Teamsの活用例

「Teams」をどのように活用するのか

 Teamsは、Microsoft自身がこれまで企業向けコラボレーションツールとして提供していた「Skype for Business」を置き換える形でプッシュしている主力製品だ。

 前回の記事では「まずは無料版の試用」を提案したが、実際には無料版が出てから1年も経過していない。米MicrosoftでTeams製品を担当するシニア製品マーケティングマネジャーのChristian Schacht氏と、同じく製品マーケティングマネジャーのAya Tange氏によれば「Teams顧客のほとんどはMicrosoft 365(もしくはOffice 365)の有料版を契約するユーザー」とのことで、既にMicrosoft/Office 365系列の製品を活用しているユーザーが追加機能として導入しているケースが多いようだ。

「Microsoft 365でチームワークを実現するためのハブ」と表現されるTeams

 Microsoftは無料版Teamsの位置付けを「間口を広げる」ことにあると考えているが、実際には同社が抱えるツール群と連携して「必要な作業ファイルや情報を適時呼び出すための“ポータルサイト”」的な使われ方が多い。

 これはYahoo! Japanのようなサイトを想定してもらうと分かりやすい。“ポータルサイト”のトップページにアクセスすると、メールからニュース、買い物まで、あらゆる情報やツールへとたどり着ける。

 Teamsの場合、これが案件やチームごとに“ポータル”が用意され、たとえ複数の案件が同時に進行していたり、仮に少し過去にさかのぼって情報を参照したりする必要があっても「あのファイルはどこにあったっけ?」と言いながら発掘作業をする必要なく、スムーズに情報へと行き着ける。

 作業ファイルや情報は普段の業務で使用しているOfficeなどのツールから利用する形で格納されているため、既にMicrosoft/Office 365を導入してクラウド(あるいはオンプレミス)上でファイルや情報が管理されている企業ほど、Teams導入が容易であると同時に、その効果も大きいというわけだ。

Teamsでは案件ごとにチャットルーム(ポータル)が存在し、必要な情報に素早く行き着けるための手段が提供される
Office製品との連携の強さがTeamsの特長となっている

 ビデオ会議からホワイトボード共有、チャットを介してのチーム連携まで比較的万能ツールのような宣伝がなされているTeamsだが、実際には導入効果の大きい領域や範囲というのがあり、必ずしも全ての既存ツールを置き換えるものではない。

 米Microsoft CEOのSatya Nadella(サティア・ナデラ)氏が、役員や社員、パブリックな相手と、距離感に応じてどのようにコミュニケーションツールを活用しているかを示した図は、その端的な例といえる。

 例えば、同氏がTeamsを活用しているのは、直接の部下であるシニアエグゼクティブにつながる案件や部門ごとの上級スタッフ200人程度までで、あとは同氏のオフィスで直接作業するスタッフだけだ。

 10人程度のシニアエグゼクティブとの密な連絡は電子メールを用い、多くの従業員への一斉同報メッセージとディスカッションでは同じくMicrosoftのコミュニケーションツールである「Yammer」を用いる。対外的にはLinkedInを通じて本人からのメッセージを出している。

 よく「Microsoftは多くのコミュニケーションツールを出しているが、使い分けが分からない」という声を聞くが、その点でこの図は各ツールの特性を示していて分かりやすい。

距離間に応じたツールの選定。このSatya Nadella氏の例は非常に分かりやすい
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