結果を出すことのできるマネジメントには、生産性を高めるために効率化を追求することに加え、そこで生まれる余裕をうまく活用して、雑談と相談のあふれるチームにしていくことが求められると私は考えています。
「相談はともかく、なぜ雑談まで必要なのか?」
そう不思議に思うかもしれませんが、相談しながら雑談することもあれば、雑談しているうちに相談になってアイデアが生まれることも多くあります。相談と雑談のあいだに明確な境界線を引くことは難しいのです。
それに、普段から雑談さえしていない関係で、急に相談するとなると心理的なハードルがとても高くなります。雑談できる関係性があるからこそ、いつでも相談できるようになるわけです。
そこで私たちは、雑談と相談を分けて考えずに、「ザッソウ」と呼ぶことにしました。
ザッソウとは、職場で行われる気軽な相談であり、はたから見ると雑談のようにも見える「対話」です。
ザッソウには会議のようなアジェンダは必要ありません。話す時間を決めなくてもいいし、結論だって出さなくていいのです。もちろん、それらを禁止しているわけではありませんが、気軽さを忘れないようにすることが大切です。
「雑談なんて無駄なもの」──そんな思い込みを捨ててしまいましょう。チームに雑談があるから人間関係が円滑になります。気軽に相談して助け合うことで、チーム全体のパフォーマンスが高まります。
また、ザッソウには「雑に相談する」という意味もあります。自分なりに結論が出てから相談するのではなく、まだ考えている途中、状況をつかみきれていない状態であっても相談していいのです。
結論が出てからの相談は、実際のところ相談ではなくて報告だったりして対話にならないことがあります。それでは相談される側も身構えてしまいます。それが最初からザッソウだと分かっていれば、相談する側もされる側も安心して気軽に話をすることができます。
雑な段階で相談をすると、例えば何かをつくり出す仕事ならば、早めに完成イメージを確認できて手戻りが減ります。悩みに悩んで時間を浪費するよりも、雑でもいいので相談すれば解決の糸口が見つかるかもしれません。何より雑談は気分転換になります。
とはいえ、いくら雑談が大事だとわかったとしても、なかなか「雑談いいですか?」とは言いにくいものです。一方「相談いいですか?」となると、本題以外は話せない感じになって話しかけづらくなりますよね。
だから、雑談と相談を合わせたザッソウという言葉を使うのです。
「ちょっとザッソウしない?」
「今ザッソウいいですか?」
そんな風に話しかけることができたら、お互いに気軽でいいと思いませんか?
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