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「ホウレンソウ」は、もう古い? 結果を出すチームの習慣「ザッソウ」とは(1/4 ページ)

» 2019年10月03日 08時00分 公開
[倉貫義人ITmedia]

この記事は、倉貫義人氏の著書『ザッソウ 結果を出すチームの習慣 ホウレンソウに代わる「雑談+相談」』(日本能率協会マネジメントセンター刊)より転載、編集しています。


はじめに

 「お話があります。お時間をください」

 マネジャーを経験したことのある方なら、ドキッとする言葉です。だいたいこんな深刻な感じで相談されるときは、「辞めます」といった嫌な話題だからです。

 そうなってしまってはもう手遅れ。どれだけ引き止めようとしても、気持ちが離れてしまっている人をつなぎとめておくことなどできません。マネージャとしては大打撃です。

 「なぜもっと早く相談してくれなかったんだ!」「悩んでいるときに相談してくれたら……」などと後悔ばかりが募りますが、それも後の祭り。思い返せば、気軽に相談してもらう機会なんてつくっていなかったのではないでしょうか。


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 昨今の働き方の見直しに対する風潮は、とかく働く時間を短くしようとするものです。働く時間を減らしつつも、どれだけ生産性を向上させるか――それが喫緊の課題です。働き方改革関連法が2019年4月から施行されたことで、この流れは加速していくことでしょう。

 長時間労働の削減や生産性の向上に取り組むことは非常に意義のあることです。無駄な会議や作業を削減したり、業務の流れを見直したりと、みなさんの職場でも取り組んでいると思います。

 しかし、効率化を追求しすぎたことで、こうした問題が起こっていませんか?

  • 会話する時間もなくて、チームがギスギスしてきた
  • 仕事の進め方を見直す機会や改善の気づきが減った
  • 成果ばかり気になって、助け合いができなくなった
  • 時間に余裕がないため、部下の相談に乗れていない
  • アイデアが出なくなり、新しいことに挑戦していない
  • 人間関係が希薄になり、チームから活気がなくなった
  • お客様からクレームがくるまで問題に気づけない

 生産性を追い求めるのは悪いことではありません。ですが行きすぎた効率化によって、会社や職場から大切なものが失われてしまうことがあります。その結果、生産性が下がってしまうことすらあるのです。その因果関係は単純な数字で表すことができないから厄介です。

 効率化の旗印のもと、ちょっとした雑談さえも禁止してしまって、黙々と手を動かすだけになってしまうとチームワークは崩壊します。上司と部下だけでなく、同僚同士でも気持ちが通じ合わなくなり、気づいたときには手遅れになる、といった問題が起きてしまうのです。では、一体どうすればいいのでしょうか。

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