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» 2019年09月04日 07時00分 公開

変化の時代のチームの形は「映画スタジオ」 新規事業作りに必要な“名脇役”とは【対談】留目真伸氏×本田哲也氏(後編)(3/5 ページ)

[柴田克己,ITmedia]

「個」の時代だからこそ“社会人”としての意識が重要

留目: 日本社会の現実的な問題としては、経済の成長率そのものが、ここ20〜30年の間伸び悩んでいて、新産業もあまり生まれていません。スタートアップエコノミーへの期待もあったけれども、現実は既存企業とスタートアップのコミュニティは分断したままで、うまく相互作用を生めずにいます。

 個人レベルでいうと、大企業に就職したところで、必ず重役や社長になれるわけではない。しかも、会社自体が「終身雇用はもうムリ」だと言っている。それならば、これから先は「会社の中」で王道や本流を進む方法よりも、「社会の中」で生きるスキルを身に付けていったほうがいいという考えになるのが自然な気もします。ただ、それでも、一足飛びに、そこまで全体の意識は変えられないという難しさもあるように思います。

本田: 「アイツはいいよな。好きなことで仕事して」というやっかみも、少しずつ廃れていく方向にあると思うんですよ。インターネットの存在もあって、個人で稼ぐことができる経済圏はどんどん広がっています。遅からず、不自由な中でがんばるよりも、自由なやり方を手に入れた人のほうが、相対的に得をする時代がやってくるはずです。

 そういう生き方、働き方を「選ばれた、やれる人だけがやるという」時代から、みんなが「やったほうがいい」「やるべき」という時代に変わっていくように思います。もちろん、自由な中でも競争はあるので、各自の「専門性」を高めていくことは重要になると思うのですが。

留目: もっと本質的に考えると、世の中の課題を解決するための仕事の進め方って、昔はもっとフレキシブルだったはずなんですよ。それが高度成長期を挟んだ、ここ何十年かの間に硬直化してしまった。組織論もマネジメント論も、その硬直化した時代のものから変われずにいるのではないでしょうか。

 今は、インターネットのおかげで、さまざまな面で再び流動性が高まっています。よりシンプルに、いろんなスキルを持った人がフレキシブルに集まって課題を解決する。そういうやり方を可能にするための組織やマネジメントのスタイルを新しく確立していく必要があるだろうと思っています。

 会社としても、個人としても、社会との関連性を今よりも強く意識し、「会社人」ではなく「社会人」としての意識を再度持つという当たり前のことが、改めて重要になってきていると思います。

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