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» 2019年09月04日 07時00分 公開

変化の時代のチームの形は「映画スタジオ」 新規事業作りに必要な“名脇役”とは【対談】留目真伸氏×本田哲也氏(後編)(4/5 ページ)

[柴田克己,ITmedia]

――そうした変化の必要性を感じつつ、変われないというジレンマを抱えた組織で、できることはあるのでしょうか。

本田: そうですね……。まずは、社外に限らず、社内を含めたフレキシブルチーミング化に取り組んでみるという方法はあると思います。大きな組織になればなるほど、社内にもセクショナリズムというのは存在しますから、まずは社内から手を付けてみる。その上で、並行して外部のチームとの協業機会を広げていくというのはどうでしょう。

 これは一例ですけれど、外注先の選定などでも、同じ所ばかりではなく、新しいところと組んでみるだけで、新しい発見や成功体験は得られると思います。経営陣に限らず、中間管理職の立場でも、自分の決裁で変えられる余地はあるのではないでしょうか。

留目: 私としては、これから、事業の作り方は、映画のように「スタジオ化」していくべきだと思っています。1社で何かをするのではなく、同じテーマに取り組みたい会社や個人が、その都度集まって、1本の映画を作るように事業や産業を作っていくという未来図です。

 もちろん、そうした時代でも、大企業の役割は無くなりません。それは、主役級の役者としてかもしれないし、重要な裏方としての役回りかもしれません。いずれにせよ、そういう座組で事業が立ち上がっていくことを面白がって、積極的に乗ってくれる経営者が必要ですけれどね。

本田: そういう時代になると、中小企業にとっては大きなチャンスですよね。「これまでにどれくらい付き合いがあったか」よりも「提供できる価値は何か」のほうに、より大きな意味が出てくるわけですから。

留目: 私は、今やっている「新産業の創造」という仕事の中で、中小企業に強くフォーカスしているんです。新産業に必要な、プラットフォームの軸、アプリケーションの軸を作っていくにあたって、中小企業が当てはまる領域は非常に大きいんです。現時点では、産業として認められておらず、下請け的なことしかできていないけれども、実はスケールできる事業の土台となることをやっているような企業は多いですね。

本田: 「映画作り」の例えでいうと、新事業が生まれる過程で、これまでバイプレーヤーだった役者が、主役として脚光を浴びる時代がやってくるかもしれませんね。「地味だけど、すごくいい芝居するんだよな」といった役者が何千といる状態ですから。

 PRを専門とする立場で言わせてもらうと、ブランドの持つ「ストーリー」がPRをしていく上で極めて重要なんです。企業がグローバルに自分たちの価値を伝えていく方法はいろいろあります。「広く告げる」だけではなく、「深く告げる」ことができるストーリーやメッセージを持っている中小企業は強いです。

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