インタビュー
» 2019年09月20日 07時45分 公開

ホリエモンが「ピロリ菌検査」と「HPVワクチン」を推進し続ける真意堀江貴文が語る「予防医療」(6/8 ページ)

[今野大一,ITmedia]

「政治問題」となった子宮頸がんワクチン

鈴木: ここからはHPVについて話します。この前も堀江さんは記者会見をされましたね。これは今、半ば「政治問題」になっています。子宮頸がんの原因は、基本的にはHPVというウイルスです。胃がんの原因のピロリ菌は細菌でしたが、子宮頸がんはHPVというウイルスに感染することによって起きるがんです。子宮頸がんの罹患数は徐々に増えていて、2000年は人口1万人当たり1人だったのが、今は2人弱です。

 では、がんが見つかったらどうするのか。基本的に早期であれば円錐切除といって、子宮頸部だけを切り取ればいいのですが、これをすると流産や早産のリスクが高まるという弊害があります。ですから、例えば検診で早期のうちにがんが見つかったとしても、それはもう無傷ではいられなくて、さらに進行してしまうと、子宮を全摘出しなければいけない。

 だから、なるべく早めに見つけるより、がんにならないほうがいい。ピロリ菌のワクチンはないのですが、HPVはワクチンでウイルスに感染しないようにすることができるのが最大の特徴です。実は日本では今、定期接種になっていて、3回接種することができるのです。

堀江: 対象の人には無料で受けられます。 

鈴木: そうです。実は私の娘も高校1年生なのですが、2回目のワクチンを先日打ちました。これは1本が大体2万5000円ほどで、3回だと7万5000円です。これが公費によって、無料で受けることができます。そのことを、ほとんどの人が知らないということに問題があります。自治体が積極的に告知することをやめてしまっているのが原因です。

 世界のワクチンの接種率を見てみると、北欧やオーストラリア、カナダでは7割以上ですが、日本は今、接種率が1%を切ってしまっていて0.7%ぐらいですから、ほとんどの人は打っていない状態です。

 実は6年前に国が、HPVワクチンの無料の定期接種をはじめて対象者に個別通知を行ったのですが、いわゆる「副反応問題」が起きて、3カ月で積極的な接種の勧奨をやめてしまったのです。

 それは今も続いていて、ワクチンの問診票をもらいに行くと、「こんなにリスクがありますよ」という話ばかりを市役所の担当者がするのです。そんなことを聞いてしまうと、せっかく打とうと思ってもそこで接種をやめてしまうということもある。

 ただ、副反応問題はすでに決着がついています。さまざまな研究があって、「副反応はワクチンのせいではなかった」ということが科学的に分かっているのです。そのことがやはり伝わっていない。結局国も静観を続けていて、接種の勧奨を再開できずにいるのが現状です。

phot

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