フリマアプリも高齢化? 2年で30倍に増えたシニアユーザー 見えてきた「意外」な利用方法2年でユーザー数が30倍に(2/2 ページ)

» 2019年09月25日 16時00分 公開
[鬼頭勇大ITmedia]
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シニアは「モノを買っていた世代」

 楽天の広報担当者は「シニアはモノを買っていた世代」と話す。ユーザーのボリュームゾーンはやはり10代〜30代の若年層だが、家に眠る不用品の数はシニアの方が圧倒的に多いと考えている。

 シニアユーザーが増えつつあることについては「家にある不用品の売買がメイン」(担当者)と分析する。同社が18年12月に発表したシニアユーザーの実態調査では、出品の人気ランキングを発表。10代、20代では「アイドルグッズ」や「ミュージシャングッズ」「トレーディングカード」など転売目的のような商品が目立っている。一方、60代、70代では「ネックレス」「陶芸品」「食器」など、家に眠っている不用品の出品が多い傾向にある。

 同調査では、購入での人気カテゴリーも発表。こちらでは意外なニーズが見えてきている。それが「食品」だ。60代が購入するカテゴリーで人気1位が食品だった。2位はキャラクターグッズ、トートバッグと続く。70代のランキングでも食品は2位にランクイン。10代、20代ではともに1位がアイドルグッズであり、以降の5位までにも食品はランクインしていない。この結果について担当者は「調査してみて出てきた意外なデータ。農家や水産業者などの生産者がB級品などの販路として新たなチャネルを開拓しているのも背景にあるのでは」と話す。

 このように、シニアの予想外の利用方法も見えてきたが、課題は依然として存在する。「シニアは迷惑メールや悪質なDMなどの影響で、アカウントを作ること自体に抵抗を感じる人も多い」(担当者)。なお、実際にアプリに登録することでメールなどが届くことはないとのこと。

 シニアが使う上で気になる「UI」については「開発時点で若い人からシニアまでが直感的に使えるように考えていた」と自信を持っている。今後は、発送手段を増やしたり、シニアに人気の商品カテゴリーをプッシュしたりしていくことでさらなるシニアユーザーの増加を狙う。セミナーの定期開催などは、今回の反響などを見て検討するという。

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