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軽減税率対応、ファミレスは「店内飲食と持ち帰りで別価格」が多数派 ただしサイゼは迎合せず業界内でも対応割れる

» 2019年09月27日 08時00分 公開
[ITmedia]

 軽減税率制度導入に向け、対応に追われる飲食店だが、業界内でもその方針は割れている。日本マクドナルドや日本ケンタッキー・フライド・チキンをはじめとしたファストフードチェーンでは、店内飲食と持ち帰りで価格を統一するところも多いが、ファミリーレストランチェーンでは、税率に合わせて価格を分けるところが多数派のようだ。

photo ファミレス各社の対応は?(画像提供:ゲッティイメージズ)

 店内飲食と持ち帰りで別価格とする方針を発表しているのは、ロイヤルホールディングス傘下の「ロイヤルホスト」、すかいらーくホールディングスの「ガスト」や「ジョナサン」、セブン&アイ・ホールディングスが運営する「デニーズ」など。

 ロイヤルホストは、消費税率引き上げ後も現行の本体価格(税別)を維持し、利用形態に応じて消費税を加算する方針。メニューには「本体価格+税」と記載するという。

photo (ロイヤルホールディングスのプレスリリースより)

 すかいらーくホールディングスも「もともと店内のメニューブックは税別価格で表示していたため、法令通りそれぞれの税率を適用する」(同社)として、価格を分ける方針だ。店内用と持ち帰り用のメニューは10月以降も税別価格を表記するが、宅配用のメニューのみ軽減税率8%を加算した税込価格表示とする。

 なお、9月30日から10月1日にかけて日付をまたいで利用する場合、ラストオーダーまでの注文は消費税率8%で計算するとしている。

photo 日付をまたぐ利用について(すかいらーくホールディングスのプレスリリースより)

 デニーズも店内飲食と持ち帰りで別価格となる予定だが、こちらは増税に合わせてメニューを大幅に刷新。「ハンバーグカレードリア」など人気メニュー7種は本体価格を引き下げることで現行の税込価格を維持するが、「チキン南蛮膳」など一部メニューは値上げするいう。同社は「パスタの麺やハンバーグのパティを変更するなど、おいしさを追求してメニューを見直した。値上げするものもあるが、その分品質も上げている」としている。

 また、9月30日は一部店舗の営業時間を短縮し、全店舗を10月1日午前0時までに閉店する。新メニューへの切り替えなどに店舗が対応する時間を確保する他、日付をまたいだ利用をなくすことで、消費者の混乱を防ぐという。

photo 一時閉店について(セブン&アイ・フードシステムズのプレスリリースより)

サイゼリヤだけは「店内飲食と持ち帰りで価格を統一」

 そんな中サイゼリヤは、「利用者の混乱を避けるため」として、増税後も現行の税込価格を据え置き、店内飲食と持ち帰りを同一価格にすると発表した。

 店内飲食ではボトルワインなどを除く全てのメニューを実質2%値引きすることで価格を統一。例えばミラノ風ドリアの場合、店内飲食なら税別272円(消費税10%)、持ち帰りなら税別277円(消費税8%)とすることで、現行の税込299円を維持する。同社は「今後もより良質なものを、よりお値打ち価格で提供することに取り組む」としている。

photo 消費税改正後の価格の例(サイゼリヤのプレスリリースより)

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