文房具・雑貨・化粧品などを手広く扱うロフトが、5年ほど前からある独特な店内レイアウトを導入している。導線をジグザグさせることで、ちょっとした迷路のようになっているのだ。
一般的なチェーンストアでは、店内の通路は碁盤の目のようにすることが多い。そして、どこに何があるのかが一目で分かるようにして、積載効率の良いじゅう器を整然と並べるのが一般的だ。
どのような狙いがあるのか。オープンしたての「松戸ロフト」(千葉県松戸市)に行ってみた。
松戸ロフトは、大型商業施設「テラスモール松戸」内にある。松戸ロフトの営業面積は220坪で、ロフトが最も多く展開しているスタンダードな規模だ。トータルで約1万8500アイテムをそろえている。
メイン通路に面した目立つ場所には、手帳や冬物商品といったバイヤー一押しの商品が並んでいる。レジは店の一番奥にある。店の入口からレジに行こうとすると、あることに気付く。一直線に伸びる通路がほとんどなく、商品を陳列する「じゅう器」にぶつかってしまい、何度も進行方向を変えないといけないのだ。ファッション雑貨とコーヒーグッズに挟まれた入口からレジに到着するまで、6回も曲がらなければいけなかった。
店内を迷路のようにするため、じゅう器をあえて斜めに置いたり、特殊な「3面じゅう器」を通路をふさぐように置いたりしている。3面じゅう器にはスマートフォンのケースなどがびっしりとぶら下がっているので、お客が避けて歩こうとすると商品が自然と目に入るようになっている。
店内のじゅう器の高さはあえて150センチとなっている。ロフトを訪れるお客の7割は女性で、メインターゲットは20代後半〜30代後半だ。女性客がちょっと背伸びをすると、どこに何があるのかが何となく見渡せるように絶妙な高さにしているという。
こういった仕掛けをしているので、方向感覚を失ったお客から「レジはどこにありますか?」と店員が尋ねられるケースもあるという。
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