#SHIFT

賞金総額1億円! 14万人超が決勝を“観戦”した「モンストグランプリ」運営責任者が明かす「eスポーツの隆盛」に欠かせないものミクシィ「モンスト」のキーマンを直撃【前編】(3/4 ページ)

» 2019年11月07日 05時00分 公開
[河嶌太郎ITmedia]

自ら米国に視察 見えてきたこと

――先ほど言及した「ライト層」を積極的に受け容れていく重要性は、どこで気付いたのでしょうか。

 実は米国にスポーツの視察に何度か訪れたことがあるんです。eスポーツの大会も見ましたが、野球のメジャーリーグや、バスケットボールのNBAなども見に行きました。違いとして一番痛感したのが、向こうのお客さんって、試合を見るためだけにスタジアムを訪れているわけじゃない人が多いということです。試合の結果にはあまり関心がなくて、スタジアムにシンプルにビールを飲みに来ている。そういうお客さんがすごく多いと実感しました。

 日本の野球やサッカーといったプロスポーツも、徐々にですがこういう文化が広がりつつあるかな、とも感じています。当社はプロバスケットボールチームの「千葉ジェッツふなばし」とも提携をしていて、こちらでも同じ現象が起きているため参考にしています。やはり、こういうライトなお客さんを大事にしていかなければならないと考えています。

phot

――近年では学校の部活動においても、eスポーツを取り入れる動きが盛んです。「モンスト」においても今後、展開していくことを予定していますか。

 19年の1月に、幕張メッセで実施されたゲームの祭典「闘会議2019」に出展して、18歳未満の大会「モンストジュニアグランプリ2019」を開催しました。初めてアンダーカテゴリーの大会を実施したのですが、とても盛り上がりましたので、今後もそういった大会を定期的に運営していきたいと考えています。大会ではプロ顔負けのプレイも出てきたのが印象的でしたね。

――将棋や囲碁の場合、10代の天才が年長者を次々と破っていく光景も珍しくありません。

 サッカーなど一般的なスポーツでは体の大きさで力量差がついてしまいがちですが、eスポーツの場合はあまり関係ないので、大人と子どもの差というのは少ないかなとは思います。現状では、賞金が出せる出せないといったところで18歳というラインを引いていますが、ゴルフのプロのように、国の理解が進んでくればこのラインもなくなっていくのかもしれません。

 ユーチューバーの世界だと、現に若くしてお金持ちになっている人も出てきています。同じように、若くして才能によって賞金が得られる時代が来てほしいと思っています。

phot

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.