販売の見通しについては「正直、3000台売れればいいと思っていた」と振り返る山氏。しかし発売してみると、追加生産を何回も繰り返すほど売れ行きは好調だ。
クラウドファンディングの実績がよかったこともあり、小売店の反応は好意的。最初の商談でまとまった量の仕入れが決まることが多かった。家電量販店よりはドン・キホーテやヴィレッジヴァンガードといったユニークな商品を扱う小売店が、ギフト需要を見込んで仕入れるケースが多いという。まるか食品にもスーパーなどから、「取り扱えないか?」といった問い合わせが多くあったほか、取材の依頼も相次いだほどだった。
一方で、気になることがある。それは、関東で根強く支持されている「ペヤング ソース焼きそば」しか焼けないので、地域ごとに売れ行きに偏りが生じないかということ。この点について山氏は、「売れるところと売れないところの差はある」と認めつつも、地域的な偏りはあまり見られないという。一番売れているのは関東だが、「ペヤング ソース焼きそば」自体は全国どこでも手に入ることなどから、売れ行きの地域的な偏りはそれほど大きくないようだ。
購入したユーザーの多くは、「焼きペヤングメーカー」でつくる「ペヤング ソース焼きそば」を「おいしい」と評価しているという。ただ、中には「他のものがつくれない」と不満を漏らす人も。ホットケーキを焼いてみたら焦げてしまい、クレームをよこしてきた人もいた。一応、他のカップ焼きそばや袋麺のインスタント焼きそば、焼肉は可能とのことだが、同社ではペヤング以外が焼けるかどうかは検証していないので、他のものを焼く場合は自己責任の上でとなる。
「焼きペヤングメーカー」の成功は、家電と人気食品のコラボという成功の方程式を確立した。同社には食品メーカーとのコラボに関する話が来ており、今後、第2、第3の「焼きペヤングメーカー」が誕生するかもしれない。
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