そうではなく、まずは自分たちの頭で「俺たちの地元は何がウリになり、それを高く評価してくれそうな人たちは一体誰だろう? よその地域とどう差別化できるのだろう」ということを考えていただきたい。
まずは顧客ターゲットをどこにシフトさせるかが問題だろうが、ここでも安易な発想は厳禁だ。関係改善が進んでおり、訪日客数が最大の中国を狙うという発想は出るだろうが、既に多くの観光地がアプローチしている激戦区であり、しかも韓国と並んで政治的リスクの大きい国でもあり、あまり賢いターゲティングとは言い難い。
それよりは他にいろんな地域・国の選択肢があり得るので、冷静に幅広く洗い出してみてはどうか。別段、インバウンド客しかない訳ではなく、国内旅行客も再考の候補であることは忘れずに。
もちろん、その候補出しの際には様々な観点を考慮に入れる必要が出てくる。例えば制約面としては乗り換えを含む就航便などアクセスの利便性。いくら興味が湧いても飛行機の片道だけで20時間以上も掛かるとなれば、期待できる観光客数には自ずと限りがある(むろん、明確に差別化できる訴求点があるのであれば、遠方からの富裕層や長期間滞在客を狙うという選択肢もない訳じゃない)。
とにかく一旦「脱・韓国人観光客」の旗を挙げて、地域の知恵を集めてはいかがだろう。特に若い人に意見を求めて欲しい。それが地域の再興のきっかけにもなろう。様々な経験とノウハウを持つプロの助けを得るのは、それからでも遅くはない。(日沖博道)
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