メルカリのCIOを退任し、「プロフェッショナルCDOの道を切りひらく!」と宣言した長谷川秀樹氏が、酒を酌み交わしながら語り合う本対談。今回は、何を食べてもおいしい博多にやってまいりました。
ゲストは、北部九州・山口を中心にホームセンター65店舗を運営する「グッデイ」の三代目社長 柳瀬隆志さん。独学で統計分析ツールのRや、プログラミング言語のPythonを習得し、社員とともにデータドリブンな経営を目指しています。
POSデータは「過去は分かる」が、「未来は教えてくれない」――。そんな小売業の定説に、「せやろな」と同調していた東急ハンズ時代の長谷川氏にとって、柳瀬氏との出会いは衝撃的だったようで……
長谷川: 柳瀬さんとの出会いは、よく覚えています。やれデータ分析だ、データドリブンだと、“言うだけ言ってあとは現場や外注先に丸投げ”みたいな社長が多い中、柳瀬さんは理路整然と、「データを基に、こうしたらうまくいきました」と、実績の話をするんですよね。小売で、しかも実店舗で、データ分析によって業務改革している社長が存在するというのが衝撃でね。僕も見習わなあかんなと思いましたよ。
柳瀬さんは、いつからどんな形でデータ分析に目覚めていったんですか?
柳瀬: 僕らは2012年からクラウドを使い始めて、2015年頃にシステム部からの提案で、AWS Redshift(Amazonが提供するデータウェアハウスサービス)にPOSデータを入れてみたんですね。
でも、結果として出てきたのは、店舗ごとの売り上げや、お客さまの男女比、園芸の売り上げが全体に占める割合など、すでに知っていることばかり。分析をする意義が見いだせなかったのです。そこで試しにTableauをダウンロードしてみたら、これは意外と使えそうだなと。システム部や経営企画部、そのうち若手社員も加わって勉強会を開いたりして、社員が自主的にTableauの操作に慣れていきました。
長谷川: 社員の皆さんも熱量がすごいですね。
柳瀬: 一方で、グラフばかり作っても意味がないことにも気付きました。グラフを見て、「僕らがどう考え、行動するか」の方がずっと大事だなと。
そこで、データサイエンティストのような思考を身につけようと思い、RやPython、統計学を学び始めました。参考書のサンプルプログラムにうちのデータを入れるだけでも、“何と何が一緒に購入されているのか”といった「バスケット分析」ができたり、結構面白いことが分かるんです。今も勉強しながら試行錯誤してます。
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