「できないことをできると言わない」風土づくりへ 日産、内田新社長が会見アライアンス強化が不可欠(2/2 ページ)

» 2019年12月02日 19時25分 公開
[加納由希絵ITmedia]
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アライアンスを強化、経営統合の話は「一切していない」

 日産の足元の業績は厳しい。2019年4〜9月期の連結業績は、売上高が前年同期比9.6%減の5兆30億円、営業利益が85.0%減の316億円に落ち込んだ。20年3月期通期の営業利益は、前期比52.9%減の1500億円の見通しとなっており、収益の立て直しが急務となっている。

 そのために必要なこととして、内田氏は「米国事業の立て直し」「投資効率の適正化」「新商品投入による着実な成長」の3つを挙げた。

 インセンティブに頼った販売によって苦戦している米国事業は、少しずつ“販売の質”が向上しつつある。今期の米国の平均売価は前年を上回る水準で推移しており、販売会社の9月末の在庫は3カ月前と比べて9%減少した。内田氏は「チャレンジできる目標を持つというのは全世界において同じ考え方。まだ時間はかかると思うが、米国で浸透させていきたい」と話す。

 そして、ルノー、三菱自動車とのアライアンスが立て直しに不可欠だと言及。「独立性を保持しながら進める」という。経営統合の可能性も取り沙汰されているが、「(経営統合の)話は現時点で一切していない」と繰り返した。「足元の収益はお互い苦戦している。まずはお互いの売り上げや利益にどう貢献できるか、という取り組みに集中していくことが必要」と強調した。

 「尊重、透明性、信頼」。内田氏はこの3つの言葉を大事にしているという。新しい経営陣のもと、まずは収益の立て直しに集中できる環境づくりが求められる。

COOに就任したアシュワニ・グプタ氏(右)
副COOの関潤氏(右)
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