ドライバーとの「対話」を追求――。日産自動車が9月に発売する新型「スカイライン」には、先進運転支援技術「プロパイロット2.0」が搭載される。ドライバーの意思を確認しながら高速道路の車線変更や追い越しなどを自動で行う機能を備えていることが大きな特長だ。62年の歴史がある看板スポーツセダンに最新の運転支援技術を組み合わせて、ブランド力と技術力を打ち出す。
7月16日に開催した発表会で、星野朝子副社長は「スカイラインは、日本のクルマ社会を切り開いてきた日産の歴史を象徴するモデル。幾度のモデルチェンジを重ねても、憧れのクルマとして存在し続けている」と語った。スカイラインはこれまでに国内で300万台以上を販売。同社で最も長い歴史を持つモデルだ。
また、星野氏は新型スカイラインについて「日産のモノづくりに対するプライドが込められている」と強調。その象徴となる技術が「プロパイロット2.0」だ。
同社は2016年から運転支援技術「プロパイロット」の搭載を始めた。「2.0」には、高速道路走行中の車線変更や分岐をサポートする機能、同一車線内でのハンズオフ機能などが備わっている。同社として日本初採用の「3D高精度地図データ」や、「360度センシング」、リアルタイムでメーターやヘッドアップディスプレイに情報を表示する「インテリジェントインタフェース」などによって、滑らかで正確な運転を支援する。
そういった技術によって可能となったのが、ドライバーとの「対話」だ。システムが車線変更可能だと判断した際には、グラフィックとメッセージでドライバーに車線変更を提案する。例えば、「前を走る車の速度が遅いから、車線変更して追い抜くか」「(目的地に近づいているため)本線から分岐して高速道路を降りるか」などを判断するための質問を投げかける。それに対して、ドライバーはハンドル上のボタンで承認する。確認が完了すると、自動でウィンカーを点滅させて車線変更する。
プロパイロット2.0は、コネクティッドサービス「NissanConnect」とも連動している。走行中にシステムが出した警告に対してドライバーが反応しない場合に、自動的にハザードランプを点灯させて車を停止させ、専用オペレーターに連絡する「緊急停止時SOSコール」という機能を備えている。
技術部門を担当する中畔(なかぐろ)邦雄副社長は「(次の行動を)ドライバーに提案して、ドライバーがOKを出したら車線変更するという仕様にしたことで、より安心して運転してもらえるようにした」と話した。
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