「100円おせち」はなぜ売れるのか? ローソンストア100が強気の販売予想を打ち出したワケ涙ぐましいコストカットの努力(2/2 ページ)

» 2019年12月04日 16時43分 公開
[昆清徳ITmedia]
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コストカットのために努力

 ローソンストア100では、100円という価格を実現するため、さまざまなコストカットに取り組んでいる。いくつか事例を紹介しよう。

 19年度の新商品である「豚の旨煮」や「お煮しめ」は、製造・パック・在庫管理・物流を特定のメーカーに集約している。さらに、パッケージも統一している。

パッケージを共通化し同じ工場で製造してコストダウン

 「くるみ甘露煮」は、くるみのサイズを統一せず、バラバラにしている。また、「わかさぎ」や「あさり」の佃煮と一緒に特定のメーカーに発注してコストダウンを図っている。

 シーズンオフの工場を活用する取り組みもしている。「伊達巻」を製造する工場は、春・夏にしらすやちりめんじゃこを加工している。冬は生産する商品が少ないので、ときには閉めることもあるという。そこで、遊んでいるラインを活用し、製造している。また、「栗きんとん」や「栗甘露煮」を製造する工場は春・夏に贈答用のゼリーを製造している。この工場も冬には製造ラインの稼働率が落ちる。そこで、ゼリーの製造ラインを活用し、栗きんとんを製造している。

 毎年20万本以上売れる人気商品であるかまぼこは、1社に大量発注し、大量製造することでコストダウンしている。さらに、販売の1年前から計画的な原材料の仕入れや生産計画を立て、無駄を出さないようにしている。高級食材の代名詞である「味付け数の子」も1年前から原材料となるニシンのタマゴを確保し、回転寿司のネタを加工する工場でカットしている。

 こうしたコストカットの努力もしつつ、ラインアップを広げた結果、「お客さまは主婦が中心だったが、単身者や若い人も買うようになった」(近藤副本部長)という。

人気インスタグラマーが提案

 マーケティング施策として、100円おせちの活用方法を料理研究家の小林睦美氏に依頼している。小林氏は料理やスイーツの情報をインスタグラムで発信しており、約2.7万人のフォロワーを持つ。100円おせちを組み合わせた「洋風ワンプレートおせち」や「中華風ワンプレートおせち」といったような盛り付けを特設サイトで提案している。和風の組み合わせだけだと飽きてしまうので、それ以外でも楽しめるようにするための工夫だ。

 強気の販売目標を立てた100円おせちはどのくらい売れるだろうか。

洋風ワンプレートおせち
中華ワンプレートおせち
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