倉田氏は異色な経歴の持ち主だ。前職は食品関連企業で営業職をしていたが、キックボクシングのプロ選手としての活動経歴もある。イナバ商事の社長でもある父の誘いを受けて15年に入社したというが、「サラリーマンをやっていたときの方が全然楽」と話す。
転職した当初のことを聞くと「お店の運営に口出しをしていなかった」という。いい意味で自由な店舗運営だったが、売り上げ急減を受けて「改革」に乗り出す。
取り組んだものの1つが、POSデータの管理だ。「データを通してトライアンドエラーを繰り返せたのが大きい」と倉田氏は話す。但馬屋珈琲店が店舗を展開するのは、新宿と吉祥寺。エリアによってお客の特性が違うのはもちろん、同じ新宿エリアでも各店で傾向が分かれるのだという。
例えば、新宿エリアの中でも小田急百貨店内に構える店舗は6割ほどが女性客だ。こちらは落ち着いた時間を楽しむお客が多い。一方、雑居ビルに入居している店舗では、ランチタイム需要が高く、働き盛りの層が利用することが多いという。
但馬屋珈琲店はもともと50代の時間もお金にもゆとりがある層をイメージした店舗だというが「企業もお店も環境に適応していかないと死んでいくだけ。メニューや接客も客層に合わせていくべき」と倉田氏は話す。
他にも、土日祝日の朝や前日夜の売り上げがよくない店舗では営業時間を短縮するなど、レトロ喫茶ながらもデータドリブンな経営をしている。
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