倉田氏は、POSデータの活用だけでなくコーヒー豆の卸売りも始めた。きっかけは、新宿にあった2店舗が閉店したことだ。「飲食店は来客数などで波がある。波に左右されないようなビジネスモデルを作りたいと思った」と話す倉田氏。食品メーカー時代の経験を生かし、基本的には1人で営業活動を行っているという。
卸売りは、店舗の認知度拡大という狙いもある。百貨店などに焙煎した豆を卸すことで、もともと但馬屋珈琲店が狙っていたような比較的生活に余裕のある層の取り込みを図っている。卸売りを始めてからは、その商品を見て店舗を知った人の来店も徐々に増えており、来客数と客単価ともに改善しているという。
不況に手をこまねくのではなく、さまざまな改革を日々続ける倉田氏。今後についてはどんな展望を抱いているのだろうか。倉田氏は「国内市場を見ると、人口が減ることで当然胃袋も減っていく。認知度を高めるのも重視しているが、商品の海外輸出もやってみたい」と話した。「いつかは豆の生産から抽出まで、ワンストップで手掛けられるようにコーヒー農園も作ってみたい」と、まだまだ但馬屋珈琲店の進化は続くようだ。
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